ヤードレー・オブ・ロンドンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヤードレー・オブ・ロンドンの意味・解説 

ヤードレー・オブ・ロンドン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/03 14:06 UTC 版)

ヤードレー・オブ・ロンドン(Yardley of London)は、世界で最も古い化粧品香水およびトイレタリー製品製造会社。1770年に創立された。ヤードレーは20世紀初頭まで石鹸および香水製造者として第一人者であり、1910年までにロンドンのボンド・ストリートに移転、1921年には王室御用達となった。今日ヤードレーは2つの製品が御用達の指定を受けている[1]

歴史

ヤードレーは1851年の万国博覧会に出品、水晶宮に製品を展示した。当時はヤードレー・アンド・ステーサム (Yardley & Statham) として知られていたが、同年にヤードレー・アンド・コーポレーション (Yardley & Co.) と改名している[2]。ヤードレーは石鹸や香水を展示したが、その中でもオールド・ブラウン・ウインザーと呼ばれる石鹸はウィンザー城の絵が浮き彫りにされ、同社が初めて生産した石鹸の一つであった[3]

ヤードレーの代表的な香水はイングリッシュ・ラベンダーであり、同製品は1873年に発売された[4]。イングリッシュ・ラベンダーはヴィクトリア朝時代にイギリスで人気が高まり、1880年代にはアメリカ合衆国にも輸入され、アメリカの一般家庭でも人気を博した[5]。ヤードレーが製品に使用するラベンダーLavandula angustifoliaの一種であり、それらはヤードレーのために特別にイングランド南部で栽培されている[6]。ヤードレーが使用したラベンダーの品種は、いくつかの素晴らしい品種の中から1930年代に探し出されて選択されたものであった。

20世紀への変わり目において、ヤードレーの石鹸と化粧品の人気は急上昇し、同社は1910年にロンドンのボンド・ストリートに小売店を開店した。当初は新ボンド・ストリート8番地に位置していたが、その後旧ボンド・ストリート33番地に移転した[7][8]

1913年にヤードレーはフランシス・ウィートリーの「ロンドンの叫び」シリーズの中の「花売り達」から新たなロゴを採用した。絵の中では花売り達が黄色いサクラソウをかごに入れているが、ロゴではそれがラベンダーに差し替えられている[9][10]

1967年、イギリス人モデルのツイッギーがプロモーションに採用された。ヤードレーは「ツイッギー・アイラッシュズ」「ツイッギー・ペイント」などの製品を発売し、その販促活動に彼女をフィーチャーした[11]。ヤードレーは「スウィンギング・ロンドン英語版」を象徴する存在となり、1960年代のイギリスの若者文化、ミニスカートやカーナビー・ストリート英語版モッズファッションに関連していた[12]

イギリスの第5位の富豪、インド人のジャタニア家が2005年10月にヤードレーを6000万ポンドで買収し、同社とローナミードを統合した[13]

ウィプロは4550万ドルでアジア、中東、オーストラリア、および北アフリカ、西アフリカの市場でヤードレーを買収した。2012年8月にウィプロはイギリスおよびヨーロッパにおけるヤードレーをローナミードから買収した。しかしながらドイツおよびオーストリアでのヤードレーのブランドの権利はローナミードが保有している[14]

ブランド

イングリッシュ・ブレーザーは1989年、1991年[15]に発売された男性用香水およびローションであるが[16]、1998年に販売が取りやめられた[16]。同ブランドは2010年代初めに再び販売が始められたが、その歴史は書き換えられ、1951年に発売されたとしている[17]

王室御用達

ヤードレーはイギリス王室と長年の関係を保ち、今までに6つの製品が御用達に指定された。同社は以下の王族に化粧品を提供した[8]

参照

  1. ^ Interview with Mike Jatania by Jonathan Guthrie of the FT
  2. ^ Yardley - quintessentially British”. HPCi Media Limited. June 23, 2013閲覧。
  3. ^ A little history about Yardley London's soaps”. Yardley London Ltd. June 23, 2013閲覧。
  4. ^ English Lavender by Yardley, 1873”. Basenotes. June 14, 2013閲覧。
  5. ^ All About Yardley London”. Yardley London Ltd. June 14, 2013閲覧。
  6. ^ Beauty Icon:Yardley English Lavender”. Telegraph Media Group Limited. June 15, 2013閲覧。
  7. ^ Yardley Shop front”. English Heritage. June 16, 2013閲覧。
  8. ^ a b Yardley London Historical Timeline”. Lornamead Group. June 14, 2013閲覧。
  9. ^ Yardley's 'Lavender Girls'”. Newham Council. June 17, 2013閲覧。
  10. ^ Wheatley's Cries of London”. Spitalfields Life. June 17, 2013閲覧。
  11. ^ Twiggy - Voguepedia”. Vogue. June 19, 2013閲覧。
  12. ^ Brainstorm:Surviving and Thriving in the New Consumer-Led Marketplace”. Macmillan. June 19, 2013閲覧。
  13. ^ Lall, Rashmee Roshan (May 3, 2006). "Jatanias buy America's biggest hair-care brands". Times of India.
  14. ^ Deepti Chaudhary and K. Raghu. "Wipro buys some Yardley businesses for $45.5 million". livemint.com. November 6, 2009
  15. ^ Cloud, Barbara (20 October 1991). “Blazer still blazin': Classic jacket dresses variety of occasions.”. The Pittsburgh Press. https://news.google.com/newspapers?id=KN8cAAAAIBAJ&sjid=GGQEAAAAIBAJ&pg=1471,1736036&dq=english-blazer+yardley&hl=en 5 February 2013閲覧。 
  16. ^ a b The Encyclopaedia of Perfume - Émilie - Eraine”. 2013年9月18日閲覧。
  17. ^ English Blazer: World-Class Original Fragrances for Men”. 5 February 2013閲覧。

関連項目

  • デヴィッド・モントゴメリー (第2代アラメインのモントゴメリー子爵)英語版

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヤードレー・オブ・ロンドン」の関連用語

ヤードレー・オブ・ロンドンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヤードレー・オブ・ロンドンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヤードレー・オブ・ロンドン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS