IBF・WBOへの加盟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 02:30 UTC 版)
「日本ボクシングコミッション」の記事における「IBF・WBOへの加盟」の解説
JBCでは世界王座認定団体のうち、WBA・WBCに加盟してきたが(OPBFはWBCの下部組織)、世界規模では国際ボクシング連盟(IBF)と世界ボクシング機構(WBO)を合わせて主要4団体とされている。そのため、世界王座を獲得するチャンスを増やすためにも、JBCはIBF・WBOに加盟するべきとの声がしばしば上がっていた。JBCは「世界王座の乱立は好ましくない」としてそうした意見を退けていたが、WBCも発足当初は加盟を拒否していた団体であった。 その後、高山勝成を始めIBF・WBOの世界王座挑戦の機会を求め、国内ライセンスを放棄して海外に拠点を移す選手も目立つようになり、非加盟のままではIBF・WBOへの挑戦を希望する選手の海外流出が加速し、現行のクラブ制度が崩壊しかねないとの声も関係者内で広がっていた。西日本ボクシング協会は2010年10月にIBF・WBO両団体への加盟を申し入れることを表明した。10月30日の日JPBA定例理事会で協議されたが、継続審議となり、12月23日に改めて検討されることになった。これによりIBF・WBO加盟問題について初めて本格的な議論が持たれた。協議の結果、「世界王座の権威を保つ」と言う前提も含め、WBA・WBCとの統一王座に限定して王座挑戦を認める方針を示し、2011年2月に決定された。ただし、認められたのはあくまでも統一戦を行うことであり、防衛戦については当面認められなかった(当時事務局長を務めていた安河内剛は展開次第で、まず海外で防衛戦、そして国内防衛戦と段階を踏んで許容していく見通しであるとの見解を示していた)。この規定に先立つ2010年4月30日、当時WBC世界バンタム級王者の長谷川穂積(真正)とWBO世界同級王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)の「事実上の統一戦」が実施された。この時は長谷川が勝利した場合WBO王座は即返上することになっていたが、長谷川が敗れたためモンティエルが統一を果たした。また規定成立後の2012年10月13日には、WBC世界スーパーバンタム級を長期防衛し名誉王者に認定された西岡利晃(帝拳)とWBO世界同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)とのWBCダイヤモンドベルトとWBO王座の統一戦がアメリカで実施。こちらも西岡が勝利の場合はWBO王座を返上する予定だったが、ドネアに敗れた。結果としてIBFとWBO認定前の統一戦はこの2例のみで、日本国内での正式な統一戦は実現しなかった。 2013年2月18日、JBCは同年4月1日付でIBF・WBOに加盟し、両団体の下部王座は認めない(当時WBAの下部王座であったパンアジアボクシング協会も今日まで認められていない)が、世界戦に限っては認可することを発表した。これに伴い、JPBAは主要4団体の世界挑戦において、日本国外での挑戦や指名挑戦者としての挑戦を除き、元世界王者あるいは日本・東洋太平洋王座獲得経験者(1990年代にも内規として世界王座挑戦に当たり「日本王者として指名試合をクリア」を義務付けていた時期があった)、アマチュア三大国際大会(オリンピック、世界選手権、プレジデントカップ)3位以内入賞経験者以外の挑戦は認めないこと、世界挑戦が決まった日本王者は予め王座を返上すること(東洋太平洋については以前よりOPBFが世界挑戦あるいは挑戦者決定戦出場が決まった際に返上を義務付けている)、国外での挑戦の場合はMRIを受診し健康面で問題がないことを証明することを内規として義務づけた。 詳細は「日本ボクシング協会#世界王座挑戦資格」を参照 2団体への加盟を受け、2009年にJBCを離脱しIBF世界ミニマム級王座に挑戦を続けていた高山勝成が2013年7月12日、2012年にWBO世界ミドル級王座挑戦のためJBCを離脱した石田順裕が2013年3月15日にそれぞれJBCへ復帰を果たした。なお高山はIBF加盟の前日である2013年3月30日にIBF王座を獲得、日本復帰によって初のJBC認定IBFチャンピオンとなった。ただし、高山の知友でもある山口賢一や、未公認時代にIBF王座を獲得した新垣諭のように、JBCへの復帰を申請していない選手、元選手も存在する。 IBF・WBO加盟以降も世界王座以外は認めていなかったが、WBOアジア太平洋王座のみJPBAからの要求に応じて2016年よりタイトルマッチの国内開催を認可することになった。ただし、当面は王座の正式認定は行わず、各試合を検証したうえで王座認定の是非を判断することになった。そして2017年8月より正式承認に至った。なおWBOアジア太平洋王座経験者の世界王座挑戦資格はWBOに限り認める。
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