発酵食品 [Fermentative food]
"塩辛"は魚介類の筋肉や内臓に食塩を加えて熟成させることで、自己酵素や細菌の酵素で消化させる「あん醤品」で、"くさや"は独特の塩漬汁に漬けて乾燥させる「塩干品」で、いずれも発酵食品ではない。また、果実酒や薬用酒は種々の果実や薬用植物を焼酎などの高濃度のアルコール製品に長期間漬けてつくられるエキスであるから、真の発酵食品とはいえない。
発酵食品の中で、とくに"なれずし"のような魚介類の発酵食品はクロストリジウム属の細菌(ウェルシュ菌やボツリヌス菌)による食中毒をおこすことがある。昭和26年(1951年)に北海道や秋田県で"いずし"、"きりこみ"による食中毒事件が発生した。この時の原因はボツリヌス菌であったという。わが国でのこの種の食中毒は自家製の魚介類やその加工品によることが多いので、一般家庭ではとくに注意する必要がある。
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