この法人は、がんにかかわるすべての人々に対して、情報提供や交流活動の実施等を通して、がん患者や家族の本質的な悩みに寄り添い、自分らしい選択ができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(1)この法人の目的を「ビジョン」として定義する。この法人のビジョンは以下の通りである。
がんにかかわるすべての人の本質的な悩みに寄り添い、自分らしく生きる世界をつくる
(2)この法人の活動の対象は「がんにかかわるすべての人々」であり、それは一般の方々である「すべての人々」と同義である。がんは、生涯のうちに2人に1人は罹患すると言われ、すべての人にがんになる可能性がある。そのためこの法人では、がん患者、がん経験者、その家族、同僚や知り合いなどに限らず、がんとは一見関係のないようにみえる人もすべて対象として活動を行う。
がんにかかわる人の悩みは個別性が高く解決の難易度も高い。一方で、罹患後は本人や周囲の持つ情報に不足や偏りがあるため、がん患者であることの負の側面が強く意識され、思考や行動に制約を及ぼすという大きな溝ができている。これらが、がんにかかわる人の身体的苦痛だけでなく精神的・社会的な苦痛を含むトータルペインに繋がっている。
この法人は、テクノロジーの力を活かすことで個人の悩みや望む人生に寄り添い、自分らしい選択を支援すると同時に、啓発活動等により社会に存在する情報の非対称性を埋めることを通じて、ひとりひとりを自分らしく生きる世界に繋げる。
情報の非対称性によって引き起こされる生きづらさは複数あるが、この法人は測定可能で有益な社会的影響を生み出すため、より多くの人にかかわるがんの問題の解決を目指す法人である。
(3)法人が今、果たすべき使命や存在意義で、積み重ねていくことでビジョンに近づけるマイルストーンを「ミッション」と定義する。この法人が掲げるミッションは以下の通りである。
がんになっても、自分らしい選択肢がとれ、人生の主役であり続ける
(4)この法人は、測定可能で有益な社会的影響を生み出し続けるため、患者や家族に寄り添い、できる限りの情報を提供し、その主体的な選択を尊重する。今日最良の治療とされていたものが数年後には古いものとなっていてより良い治療法が産み出される可能性があるし、効果がないものとされていた治療法が標準治療となることも起こりうる。そのためこの法人及び法人の提供するサービスでは、患者の選択を尊重し、特定の病院、医師、治療法に関する否定、誹謗中傷を行わないし、効果の疑われる非科学的な治療法への勧誘行為等も行わない。
この法人は標準治療を推奨するが、それ以外の選択をした患者や家族を否定しない。
がんとの闘いは人類が叡智を持ち寄り解決しなければならない集団戦であることから、この法人及び関係者が切磋琢磨しビジョンとミッションに忠実になることによってのみ、法人の目指す目的が達成される。 |