Cの夫D殺害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 09:09 UTC 版)
「久留米看護師連続保険金殺人事件」の記事における「Cの夫D殺害」の解説
YはCの夫DがAの悪口を言ったことや、CがYに金銭を与えるのを邪魔しようとしたことなどから、Dに対して憎しみを感じていたところに、1997年(平成9年)10月、激しい口論になったことを契機に、Dは生きるに値しないと考えるようになった。実行に際しては、かねてから憎悪の念を抱いていたCに殺害させることで、その手を汚させ、「十字架を背負わせる」ことができると考えた。また、この少し前に病院勤務を辞めて収入が減っていたYはD殺害により生命保険金をCから搾取できるとも考えた。同年、YはCにDが浮気をしており、子供とCに保険金をかけ交通事故を装って殺そうとしているという架空の話を吹き込む。YはかつてCを騙した時に登場させた「井田」という実在しない人物の名を再び持ち出し、「井田」が殺害を示唆していたことを話す。さらにYはC夫妻の車内に睡眠薬を忍ばせ、それを指差してCに「やはりC達を殺そうとしている」と語った。1998年(平成10年)1月8日には、YはYの長女が何者かに拉致され「恨むならCを恨め」と言われたとする虚偽をCに伝えてDの殺害を急ぐよう迫った。Dに心不全を誘発させるために睡眠薬とカリウム製剤を投与して殺害する計画が練られ、Yは急激に投与して死亡させたら疑われる可能性があるとして、日常的に精神安定剤を飲ませてあわよくば事故死することを目論む。1月10日以降CはDにカリウム製剤と精神安定剤をすり潰した食事を食べさせたが、変化は見られなかった。1月14日、YはCにAが何者かに拉致され、その場に居合わせたDがAに「俺の女房から手を引け」と言ったという虚偽の話をし、これによりCは夫に対する殺意を強固なものにした。Yは注射器によるカリウムの直接投与でDを殺害するる方針に改め、1月21日、CがDを睡眠薬で眠らせると、CがYとAを久留米市のC宅に呼び寄せ、Cがカリウム注射を投与した。Dはカリウム製剤の投与に伴う血管痛から叫び声を上げて目を覚ましかけたが、Cが寝かしつけなおも薬液注射を続行した。Dが絶命しないことからYはCに空気注射をさせ、Dは激しく咳き込んだが絶命するには至らなかった。ここまでの間に長時間が経過していたことからYはこの日の殺害を断念し、同月23日に再度実行することを決定した。Cは再び睡眠剤入りの食事をDに食べさせて昏睡状態になったところに、YとAを呼び、Cが薬液注射をDに行った。これに半ば覚醒したDをCは今回もなだめて眠らせ、空気注射を行った。Dが半覚醒したことに驚いたYはAを伴って自宅に戻り、殺害の中止を期待したCがY宅に行くとYは激昂してD殺害を命じた。Cは自宅に戻って半覚醒状態でうめき声を上げるDに空気注射を行ない、C宅に戻ってきたYはAにも空気注射をさせた。Dの死亡を確認したYはCに119番に通報させ、YとAは連絡を受けて駆けつけた友人としてCとともに救急隊に立ち会った。救急隊が検死で解剖される可能性があることを告げると、CはYとの事前の打ち合わせ通り「主人がかわいそう」と泣いて止めた。事態を飲み込めないまま偶然目撃していたCの2歳の末娘はCに「お父さん、きのうチクンされてたね」とつぶやいた。翌2月、生命保険が振り込まれると、YはDの借金を建て替えた「井田」に渡すとしてCから3450万円を騙し取り、Yは散財による借金の返済などに当てた。YはDの会社から義捐金と埋葬費計313万円が出されることを知ると、Cの代理人としてCには内緒でこれも手に入れた。 同年2月と5月にDの両親が相次いで他界。YはCに「井田」に払う金がまだ必要であるとしてDの親族を言いくるめて遺産の1000万円を手にする。さらにDの会社から支給される遺族年金もYが取り上げた。
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