Cの置かれた位置によって2種類の音を表す正書法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 14:59 UTC 版)
「C」の記事における「Cの置かれた位置によって2種類の音を表す正書法」の解説
元々のラテン語の c は常に [k] で発音されるものだったが、俗ラテン語時代になると転訛しはじめ、c の直後に“前舌母音”( e · i · y · æ )が来る場合に限り、その影響を受けて、c を [c] (「ティ」と「キ」の間のような子音)や [ʧ] (「チャチュチョ」のような子音)で発音するようになった。これを軟音化と呼ぶ。[k]と発音するのを「固い (hard) c」、摩擦音 (/s/) や破擦音で発音するのを「柔らかい (soft) c」と呼ぶ (en:Hard and soft C)。 時代が下りロマンス諸語が分化するにつれ、この音はさらに多様な音へと分化した。現在のロマンス諸語の正書法は、こうした自然の音変化を受け継いだものである。また、フランス語の影響を大きく受けた英語でも、同様の読み方をする。 e · i の前の c を [ʧ] と発音する - イタリア語、ルーマニア語(例) イタリア語: cielo [チエーロ] 「空」 ( < 俗ラテン語: celo [チェーロ][キェーロ] < ラテン語: cælum [カェルム] ) e · i ( · y ) の前の c を [s] と発音する - フランス語、英語、ポルトガル語、スペイン語(ラテンアメリカ)、カタルーニャ語など。(例) フランス語: ciel [スィエル] 「空」 ( 由来は上に同じ ) e · i の前の c を [θ] と発音する - スペイン語(スペイン本土)(例) スペイン語: cielo [シエロ] 「空」 ( 由来は上に同じ ) どの言語においても、a · o · u · l · r などの前の c はラテン語時代と変わらない [k] 音を保っている。また、フランス語やルーマニア語などでは語末に c を置く単語がいくらかあり、これらも [k] で発音する。 (例) フランス語: lac [ラック] 「湖」、ルーマニア語: bec [ベック] 「電球」
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