Apple Computer復帰
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「スティーブ・ジョブズ」の記事における「Apple Computer復帰」の解説
1996年12月20日、AppleがNeXT社を4億2900万ドルで買収することに合意、次期OSの基盤技術としてNEXTSTEPを採用すると発表した。ジョブズはAppleに非常勤顧問という形で復帰した。この際、アメリオからプレゼントされた20周年記念Macintosh(Spartacus。当初の販売価格7,499ドルという代物)を窓から投げ捨てたという噂があったが、真偽は定かではない。 1997年2月、正式にNeXT買収が完了した。Appleに復帰する際、買収代金の一部として、6か月先まで売却できないとの条件で150万株の株式を譲渡されていたが、Appleの復活を半ば諦めていたこともあり、期日が来るなり、またしても1株を残して即座に売却した。 しかし思い直したジョブズは、経営の実権を奪取すべく、社内で隠密に行動を開始し、アメリオを追い出すための画策を講じる。そして「アメリオはいまだにAppleの業績を向上させられない」として、すべての役員を味方につけアメリオをCEOから引きずり下ろすことに成功した。7月にアメリオが退社すると、経営陣はジョブズにCEO就任を要請したが、ジョブズは多忙を理由に断った。 ジョブズはAppleの士気をあげるため、従業員のストックオプションの引き下げを役員に株主提案をしたが、役員のほぼ全員がこれを否定すると、当時筆頭株主であった立場を利用して役員たちに辞任を迫る。結局、マイク・マークラを含む経営陣はほとんどが辞任し、その後任としてエリソンや、ジョブズと縁のある人物が就任した。 8月に、ボストンで開催されたMacworld Conference & Expoでは、議決権のない株式譲渡と技術提携(特許裁判をしないための条件)という名目を条件に、マイクロソフトから1億5,000万ドルの資金提供と、Mac版のMicrosoft OfficeとInternet Explorer for Macの提供を受け続けることを柱とした業務提携を発表する。最大のライバルとされたビル・ゲイツがエキスポのゲストとしてスクリーンに登場すると、何も知らなかった観客にはブーイングする者も多くいた。 この提携が一定の役割を果たしたのは事実で、その後もPDAのNewton事業の清算をはじめ、ジョブズ主導の元、いくつものプロジェクトを中止、Apple社内のレイオフを進め大規模なリストラを行った。前後して、パワー・コンピューティング(英語版)を買収してインターネット直売事業への参入 (Apple Store オンライン)を行い、Macintosh互換機メーカーへのMac OSライセンスを停止、利益率の高いPowerPC G3搭載機種を市場に独占投入。こうした矢継ぎ早の改革により、ジョブズはAppleの再建を軌道に乗せた。 1998年には、iMacを市場に投入、それまでの「アイボリーの箱」というMacの印象から大きく離れた同シリーズは大ヒットとなり、トランスルーセント(半透明)のスタイリングは当時あらゆる分野に影響を及ぼした。このヒットはAppleの復活を人々に強く印象づけた。
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