ATFの交換とは? わかりやすく解説

ATFの交換

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 22:32 UTC 版)

オートマチックトランスミッションフルード」の記事における「ATFの交換」の解説

ATF今日では変質しにくい化学合成油が主体であり、エンジンオイルのようにブローバイが混入せず、ギアオイルのように極端な極圧掛かることも少ないため、これらの油脂ほど急速に酸化せん断による劣化をする事は稀である。但しATのトルクコンバータースリップなどによる熱負荷極めて大きくATF冷却用水冷式オイルクーラーがラジエータータンク内に装備されるのが一般的だが、熱負荷により次第劣化する。ATのオイルパン内部には遊離した鉄粉キャッチする強力なマグネット置かれている場合も多い。 ATF新しい方が性能良いが、長い間交換だったATF交換すると、清浄分散能が高いために壁面についたスラッジ遊離してバルブボディーなどの狭い通路に詰まる可能性がある。従ってATF交換とともにフィルター交換オイルパン清掃などを行うのが望ましい。あるいは一度スラッジ遊離するのを防ぐために必要量半分程度新しATF交換することを複数行い次第に新油の割合高め方法がある。 メーカーによってはその車両寿命尽きるまで無交換でもよいとしている例もあるが、それは新しATF交換したときにスラッジ遊離してトラブル起こすことを考えて方針である。熱負荷による劣化、多板クラッチやブレーキバンド摩耗、あるいはギアベアリングなど金属部品摩耗によるスラッジ堆積、それに伴うオイルフィルター詰まり等も発生するため、下記事項注意したうえで、やはり数万キロ程度の適度な間隔交換することが望ましい。 ATFの状態を判断する基準は、ATF色調および走行距離である。通常は透明で明るい色(赤系であればおおよそ赤ワイン色)だが消耗するにつれて黒くなり透明度低下する。 ATの構造上、一度作業ATFをすべて交換することは極めて難しい。特にオイルパン外したりドレーンボルトから排出する程度では、大量ATFトルクコンバーター内に残っている。 それ故ライン充填異なATF使用することは推奨されていないATFチェンジャー所謂圧送方式による交換をする場合オイルパン側に一切アクセスせず直接オイル配管接続して大半ATF入れ替えられるのが利点であるが、この際外部から油圧でAT内、特にオイルパン内に沈殿したスラッジ浮き上がってATに不具合起こす可能性指摘されている。 一方でチェンジャー用いエンジンアイドリングさせレベルゲージ穴から古いATF吸い取り新しATF注入繰り返す方式では圧送方式ほどはスラッジ浮きくいものの、新しATF注入するたび循環させる時間要することと新しATF比率高めるために必要量上のATFを必要とする欠点がある。 ATF交換する場合には、同時にバルブボディーのフィルターオイルパンスラッジ清掃や、マグネットからの鉄粉除去を行うことが望ましい。 オイルパン内に明確な非金属性破片粉じん見られる場合、あるいはATF極端に黒ずみ異臭放っているような場合には、ATFのみの交換終わらせるではなく、ATのリビルド品への交換オーバーホールなども検討すべきである。 なお、ATのロックアップ多用化によって油圧による劣化よりも潤滑による劣化の方が割合大きくなった。これはロックアップすることでトルクコンバーターによる増幅作用働かないことによるロックアップ領域増加に伴いクラッチやブレーキバンドの摩耗粉比例して増えていく傾向にある。一方で新しいAT用のATFでは低粘度化が進み負荷対す劣化はしやすくなっているため、ATFとしてはまだ使えるもののATの変速時の衝動などの感覚的な劣化感じるようになるまでの距離は短くなる傾向にある。そのため低粘度ATF使用する車種増加に伴いアフターマーケットにおいては粘度ありながら粘度指数を持つと謳うATF添加剤普及しつつある。

※この「ATFの交換」の解説は、「オートマチックトランスミッションフルード」の解説の一部です。
「ATFの交換」を含む「オートマチックトランスミッションフルード」の記事については、「オートマチックトランスミッションフルード」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ATFの交換」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ATFの交換」の関連用語

ATFの交換のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ATFの交換のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのオートマチックトランスミッションフルード (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS