2007年の米国保護法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 09:56 UTC 版)
「外国情報監視法」の記事における「2007年の米国保護法」の解説
詳細は「en:Protect America Act」を参照 2007年7月28日、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、外国情報監視法の法改正において、テロリストであると思われる人物の片方(または双方)が海外に在住する場合の通信記録の傍受における規制の緩和について意見を述べるため、議会に出席を求められた。彼は2007年8月の休会までに法案を成立させるよう議会に求めた。2007年8月3日、上院は共和党が支持する外国情報監視法の改正案(S. 1927[リンク切れ])を賛成60票対反対28票で通過させた。法案は下院に送られ、賛成227票対反対183票で下院を通過した。2007年8月5日、2007年の米国保護法(Pub.L. 110–55, S. 1927)はブッシュ大統領によって署名され、発効した。 2007年の米国保護法のもと、 外国での通話の始めまたは終わりに対する、外国情報活動監視裁判所による許可のない、アメリカ政府による盗聴があったのかもしれない。「電子機器を使用した監視」の定義が削除された外国情報監視法により、アメリカ国外に居住する者に対する監視は当然行われていると思われている。そのような場合において、これらの通信に対する監視にはもはや、政府は外国情報活動監視裁判所に法の適用、命令を求める必要はなくなった。 米国保護法は、政府が獲得プログラムの法的な「正当性」を確保するため、政府が特定のプログラムのもとで問題を解決するために、インターネットサービスプロバイダに対しデータの提供または協力を求めることができるようにするため、また、外国情報活動監視裁判所からの命令を受けた政府と命令を受けた者がそれぞれ、プロバイダに法律を遵守させ、または違法な命令がないようにするための手続きを定めている。米国保護法に従うために出された命令を遵守するため、プロバイダは費用を受け取り、法律を遵守しなくても民事訴訟からは完全に免除される。 鍵となる条文のまとめは次の通りである。米国保護法は、司法長官または国家情報長官(DNI)に、もし、司法長官と国家情報長官が次の5つの判断基準を満たしたと判断した場合、1年以内の、「アメリカの国外にいると当然思われる個人」に関する通信記録の傍受を認める。 アメリカの国外にいると当然思われる個人に関する情報を獲得するための判断のためには、適切な手続きにのっとり、正しく行われる必要がある、 情報の獲得は電子機器を使用した監視によって行われる(すなわち、単独の国内における通信記録に対する傍受は行われない)、 情報の獲得は、通信にアクセスすることができる通信サービス提供者からのまたは提供者とともに通信記録の獲得が行われる、 情報の獲得の重要な目的は外国による諜報活動の情報を得ること、そして 外国情報活動法が定める手続きが適用される範囲を最小限にすること、である。 司法長官と国家情報長官によるこの決断は、署名によって証明された誓約のもとで、また適切な宣誓供述書によって支持されていなければならない。もし、政府による即時の行為が求められ、証明の準備のための時間的な猶予がない場合には、司法長官または国家情報長官は72時間以内に直接口頭で証明を獲得することができる。証明はそれから外国情報活動監視裁判所によって署名される。 ひとたび外国情報活動監視裁判所の証明が得られると、司法長官または国家情報長官は情報の獲得のため、プロバイダに直接要請または要請の支援するよう命令することができる。 もし、プロバイダが直接司法長官または国家情報長官による直接の指示に従わなかった場合、司法長官は命令に従うよう、外国情報活動監視裁判所からの命令を要請する。外国情報活動監視裁判所の命令に従わなかった場合には、法廷侮辱罪として罰せられる。 こうして指示を受けた個人は、その指示の合法性について不服がある場合には、外国情報活動監視裁判所に対して不服を申し立てをすることができる。申し立てを受理するかどうかの審査は48時間以内に開始されなければならず、申し立てを受理するかどうかに関する最終的な決定は、書面で、72時間以内に決定される。 外国情報活動監視裁判所の決定は外国情報活動監視再審裁判所によって破棄される場合もあり、外国情報活動監視再審裁判所の決定による移送令状は、合衆国最高裁判所によって発行される。 すべての不服申し立ては書類に記入されたうえで、封をされていなければならない。 米国保護法により、プロバイダが司法長官または国家情報長官による指示による協力を行った際に、損害を出した場合には相当の金額が賠償される。 米国保護法により、プロバイダが情報、設備の提供、または米国保護法のもとで出された指示によって協力した場合においては、連邦または州の政府の裁判所における民事訴訟からは完全に免除される。 司法長官は、政府によって申し立てられた手続きが法によって認められた諜報活動の情報の獲得なのか、また純粋に国内の通信だけなのかどうかを判断し、120日以内に外国情報活動監視裁判所に提出しなければならない。外国情報活動監視裁判所はそれから、その手続きが法に適うものかどうかを判断する。外国情報活動監視裁判所はそれから、申し立てを承認するか政府による監視を認めるために新たな申し立てを申請するよう指示するか30日以内に命令を出し、または政府によるいかなる令状の申し立ても認めないか、いずれかの手続きを進める。政府は外国情報活動監視裁判所の決定に不服がある場合は外国情報活動監視再審裁判所と最終的には合衆国最高裁判所に上訴することができる。 半年ごとの報告書には、司法長官は上下両院の情報活動および司法委員会に報告しなければならず、司法長官または国家情報長官によってなされた指示と、インテリジェンス・コミュニティーによって申し立てられ、外国情報活動監視裁判所が承認した申し立てにおいて法令を遵守しなかった事例がなかったどうかを審査し、そして承認された事例と指示された事例の数が記載される。 外国情報監視法の改正法は、命令が発効する日がそのような命令の期限が切れる日およびそのような命令が外国情報活動監視裁判所によって再び認められることが残っていることを除いて、施行から180日後に期限が切れた。 米国保護法は2008年2月17日に期限が切れた。
※この「2007年の米国保護法」の解説は、「外国情報監視法」の解説の一部です。
「2007年の米国保護法」を含む「外国情報監視法」の記事については、「外国情報監視法」の概要を参照ください。
- 2007年の米国保護法のページへのリンク