*桃とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 物語事典 > *桃の意味・解説 

1.天界の桃を食べれば不老長生得られる

漢武故事1417 天界から降りた西王母に、漢の武帝不死請う西王母は「帝は欲心が多いゆえ、不死はまだ得られぬ」と告げ7つの桃の2つを自らが食べ5つ武帝与えて去った。後、西王母使者来て3つの桃を武帝渡し、「これを食べれば人寿極限まで生きられる」と教える。しかし武帝60余歳で死んだ

『西遊記』百回本第5回 蟠桃園には3千6百の桃があり、手前の千2百は3千年1度熟し食べれば仙人になる。中の千2百は6千年1度熟し食べれば不老長生する。奥の千2百は9千年1度熟し食べれば天地日月寿命同じくする。玉帝から蟠桃園の管理を命ぜられた孫悟空が、奥のの桃を食べ尽くし様々な乱暴をして天宮騒がす

*爺と婆が桃を食べて若夫婦になった→〔若返り1bの『桃太郎昔語(ももたろうむかしがたり)』。

★2.桃を一つ食べると、一年経過する

酉陽雑俎2-68 燕(えん)の世(398410)、僧が山東省長白山登り山寺訪れて中食求める。1人沙弥が、桃の木から実を1つ摘んで僧に与え、まもなくもう1つ与えて、「長く逗留しているから、もう帰りなさい」と告げる。僧が自分の寺へ戻ると、弟子が「2年間、お帰りにならなかった」と言う。僧は、2つの桃は2年のしるしであることを悟った

★3.桃を用いて、鬼や魔物追い払う

『日本書紀』巻1第5段一書第9 黄泉国から逃げ帰るイザナキを、いかづち)たちが追って来る。イザナキは桃のの下に隠れその実投げつけるたちは皆、逃げ去る。これが桃をもって鬼を追い払う起源である〔*『古事記』上巻では、イザナキ桃子もものみ)に、「私を助けてくれたように葦原中国あしはらのなかつくに)の青人草(あをひとくさ人間)をも、助けてやってくれ」と頼む〕。

*桃は、その形状女性器連想させるので、女性器露出して魔物などを追い払う物語と関係があるだろう→〔性器(女)〕3。

*桃の用いて貧乏神追い出す→〔貧乏神2aの『沙石集』巻9-22

★4.妖怪死霊は桃を恐れる。

『太平広記』325所引『甄異記』 夏侯文規は死後1年して家に現れ、庭の桃見て、「私が植えたで、実は美味だ」と言う。妻が「亡者は桃を畏れる聞くが」と訝(いぶか)ると、夏侯文規は「桃の東南が2尺8寸にも伸びて日に向かうのは嫌だが、畏れないばあいもある」と答える。

『封神演義』第5回 仙人雲中子紂王のもとを訪れ、「宮殿から妖気が立ち昇っている。この宝剣邪気鎮めよ」と言って、桃の削った5寸ほどの玩具のような剣を渡す。紂王宝剣を分宮楼上に置くと、たちまち妲妃(だっき。千年女狐化身)が眩(めま)いを起こして倒れる。いそいで宝剣下ろして焼き妲妃回復する

聊斎志異巻8-300「鬼妻」 聶先妻病死後、年余経て後妻娶るが、夜ごと先妻亡霊現れ、「私の寝台寝かせるものか」と罵って後妻を殴る。困り果てた聶の依頼で、術者が桃の木を削って作り、墓の四隅打ちこむと、ようやく怪異絶える。

★5.桃の木の化身

『夢』黒澤明第2話桃畑雛祭りの日。「私(10歳ぐらいの男児)」は、桃の精である少女追って桃の木畑へ行く。雛人形姿の男女数十現れ、「雛祭り桃の節句)は桃の木のお祭りで、雛人形は桃の木の化身だ」と説き「私」の家が桃畑の木を全部切ってしまったことを責める。雛人形たちは音楽演奏し舞い舞って桃の花盛り見せてくれるが、それが終わると、畑にはたくさんの切り株があるだけだった



このページでは「物語要素事典」から*桃を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から*桃を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から*桃 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「*桃」の関連用語

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



*桃のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
物語要素事典物語要素事典
Copyright (C) 2025 物語要素事典 All rights reserved.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS