高等軍事研究課程
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ほとんどの学生は高等軍事研究課程(AMSP)に所属する。2009年、研究院は8つのセミナーを開講した。高等軍事研究課程は学生に軍事の理論と実践について教育することを狙いとし、作戦術を焦点として、軍事的問題解決を含む様々な主題を取り上げる。具体的には、軍事の学説と歴史、軍事ドクトリン、作戦計画の作成、戦闘動態、作戦の理論と実践、現代の軍事作戦及び国家権力の適用についてである。さらに、授業と演習を通じて、学生は研究論文を書き上げ、口頭試験に合格しなければならない。卒業生は、師団、軍団又は各種司令部幕僚若しくは様々な領域に配属される。 上級指揮官は、戦争の作戦次元、統合作戦及び進化する現代の作戦環境に適応する優秀な幕僚として、高等軍事研究課程の卒業生を求めている。 — アメリカ陸軍指揮幕僚大学 高等戦略リーダーシップ研究課程 高等戦略リーダーシップ研究課程(ASLSP)は16名の将校に対して上級指揮官になるための戦略レベルの責務を教育する寄宿制の課程である。学生は、上級の中佐と大佐で構成され、陸軍の他に海軍、沿岸警備隊及び政府機関の者で構成される。さらにイギリス、カナダ、ドイツの留学生も受け入れている。軍人の学生のほとんどは大隊長終了者である。教授陣は4名の文民教授と1名の軍人教授から成り、文民教授の内の一人が教育課程長となる。卒業生は戦略研究、軍事教育等級(MEL)I及び統合専門軍事教育Ⅱの修士号を授与される。さらに、米軍の学生には高等軍事研究院スキル認定証 (ASI) 6Sが授与される。 1984年、本課程は、レベルは同じだが別の教育課程のために戦争大学によって選ばれた中佐を転用することによって始まった。当初の名称は高等作戦研究員制度(AOSF)であった。高等作戦研究員制度課程は高等軍事研究課程を修了し、高等軍事研究課程の教官職2年目(主任教官)を務めた学生で構成されていた。1995年、課程の名称は高等作戦術研究員制度(AOASF)に変更された。21世紀初頭、高等作戦術研究員制度の教育課目はさらに戦略レベルと近づいた。2013年、教育課目は訓練教義コマンドの方針との整合がとられ、統合専門軍事教育Ⅱの準備を行うように修正された。また、それに伴い名称も高等戦略リーダーシップ研究課程(ASLSP)に変更された。 本課程は、戦争の戦略及び政策レベルを焦点とし、学生に対して戦略レベルの指揮官への任命を準備させることを目的とする。学期は5月末から6月末までの間に始まる。本課程の教育課程は、平時、危機及び戦争間の統合作戦から陸上作戦までの範囲における複雑で多面的な戦域ー戦略レベルを対象とする。教育課目には、戦略、地域研究、統合作戦、戦略的リーダーシップ及び21世紀の紛争が含まれる。学生はさらに、適切なテーマで1万~1.2万字の出版可能なレベルの研究論文を執筆する。本課程は幅広い校外研究課目(約8週間)があり、統合組織、省庁、政府、多国籍企業の上級役員と会う授業が行われる。校外研究には、首都圏、ヨーロッパ、アジア太平洋の機関並びにアメリカ大陸内の戦闘指揮官と対話を行い、様々な軍・民の政府機関を訪問する。 米陸軍、米海兵隊、カナダ軍及びドイツ軍の6名の将校が2年間、高等軍事研究課程のセミナー長を務める。軍人教授のメンバーとして、1名の米陸軍将校が高等戦略リーダーシップ研究課程の教授となる。 卒業生は一般に、指揮官職か中将又は大将の幕僚として勤務する。
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