馬名に使用できる文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 13:59 UTC 版)
カタカナのみ。1928年以降カタカナに統一される。 それ以前の20世紀初頭までは漢字の馬名があり、その後も「第一」、「第三」などのついた馬名は認められていた。またかつて、「ザ・キング」、「ザ・ビクター」、「ラ・フウドル」など、約物の中黒を含む馬名が認められていた時期もあった。 歴史的仮名遣いの「ヰ」・「ヱ」については、過去に使用例(「スウヰイスー」「ダイヱレク」など)があったが、現在では「昭和61年7月1日付内閣告示第1号による現代仮名遣いに限る」と定められているため使用できない。 「ヲ」についても戦前に使用例(「ヤマトマスラヲ」「イサヲ」など)があり、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}戦後に「ヰ」・「ヱ」と同様の理由により使用禁止となったが[要出典]、1997年より再び使用を認めた。但し助詞として正しいものでなければ使用出来ない。同年にデビューしたエガオヲミセテが解禁後最初の「ヲ」馬名の馬となった。 「ハ」については「は」と「わ」、「ヘ」については「え」と「へ」、各カナ共に両方の読みが可能である(「オレハマッテルゼ」、「ミライヘノツバサ」など)。 「ヴ」については、1960年の東京牝馬特別を制したヴァイオレットなど広く用いられていた。しかし、「ブ」と紛らわしいとして1962年6月に馬名への使用が禁止となった。1990年1月より「外来語として原音の意識がなお残っているもの(元の単語がアルファベット表記で「V」を使用しているものなど)」に限り使用が認められ、1月11日にヒルゼンヴァリー、ミリオンスタイヴァの2頭が解禁後第一号であった。「ヴ」馬名の初出走は同年2月4日にデビューしたヒルゼンヴァリー。ただし血統馬名、繁殖牝馬ではそれ以前からも認められていた例がある(「ネヴァービート」など)。 促音・拗音については、中央競馬では1968年9月21日より使用を認めた(「カツトップエース」など)。リュウズキのように使用可能になるまでリユウズキと大文字で代用していた例もある。しかし地方競馬では1990年まで使用が認められておらず、例えばオグリキャップも笠松所属時は「オグリキヤツプ」と称していた。血統登録でも同年より使用を認められるようになったため、それ以前に繁殖登録された促音・拗音の付いた競走馬は全て大文字で登録されている。(サツカーボーイ、マツクスビユーテイ、メジロデユレンなど。読みは競走馬時代と同じ) 戦前までは馬の徴発を目的とした馬籍法の関係で生後30日以内に馬名を登録する必要があった。この「血統名」と競馬会に登録する「競走名」は生産者が馬名登録しない限り通常異なる名前となる。そして特に牝馬の場合は繁殖入りした際に血統名を使用することが一般的のため、競走名と血統表に残る名はその多くが関連しなかった。血統名については漢字を使用することも可能である。例を挙げると下総御料牧場では毎年勅題の中の一字と母馬の最後の一字をあてる。1932年(勅題は月)産まれの星友の仔→月友、1940年(勅題は年)産まれの賢藤の仔→年藤(クリフジ)となる。一方で父の名の頭に第一、第二、第三…と連番を打つだけの血統名もあり、シアンモア産駒では第二シアンモア(ヨネカツ)、第六シアンモア(オオツカヤマ)、第七シアンモア(ワコー)、第十シアンモア(エーシアンモア)などが血統名で種牡馬入りするなど混乱をきたしたため、1941年以降は種牡馬については競走馬名を使用することになった[要出典]。 同名の繁殖馬が同時期に複数いた場合、エンタープライズII、ロイヤルアカデミーII、シアトルダンサーIIのようにローマ数字を付加して区別することがある。
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