音楽性と構成
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「Sai no Kawara」の記事における「音楽性と構成」の解説
「Sai no Kawara」はのジャンルは、ローファイ・ヒップホップに分類される。crystal-zは自分のルーツとなるアーティストとして、ザ ブルーハーブやShing02などの名前を挙げた上で、最も影響を受けたアーティストはEVISBEATSであると語っている。 「Sai no Kawara」は、年齢差別が行われている全国の医学部への批判を行っている。歌詞では、自ら大学の不正被害にあった経験を歌詞に落とし込んでおり、楽曲の中にはさまざまなメッセージが緻密にちりばめられている。 「 順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り 巡り 繰り返し 東京 偉大なこの街 」 —crystal-z「Sai no Kawara」 以上は曲の後半にあたる歌詞の一部である。この歌詞には、「順調」=順、「天才」=天、「堂々巡り」=堂、つまり順天堂。「東京」、「偉大」=医大、つまり東京医科。crystal-zが受験し、不正に不合格判定を受けたこれら2つの大学の名前が隠されている。 曲の一部にサンプリングを使用している。女性アナウンサーが「医学部入試で年齢などを理由に不合格にされたと主張する元受験生の男性が、大学を提訴しました」「34歳の男性は去年、不合格にされましたが、その後大学側が調査した結果、合格点に達していたことが分かりました」と淡々と読み上げるニュース音声が収録されている。YouTube版とサブスクリプション版のラストではサンプリングに変化がみられる。YouTube版の最後には、大学側とのやり取りと思われる映像・音声がサンプリングされている。crystal-zは、ねとらぼのインタビューで、どの大学とのやり取りであるかは答えず、現実のものがサンプリングされていると答えている。一方で、Yahoo!ニュースのインタビュー内では、順天堂大学とcrystal-zが直接話し合った際、大学側はcrystal-zの話を遮って「不正じゃない」と声を荒らげるなどの対応をとったと答えている。サブスクリプション版では、YouTubeと異なるラストを用意したことについてcrystal-zは「音楽として長く聴けるように、また、YouTube版を聴いてくれた人にはピンとくる違うラストを用意しました」と答えており、サンプリングやメタファーなどのヒップホップ特有の手法を用いることで、他の音楽より奥深い表現が出来、大衆にもコアにも届くような要素になっているとしている。crystal-zは、これらのほかにも様々なイースターエッグを隠しており、インタビューの中で「(楽曲に隠された)イースターエッグに関してはあまり解読が進んでいないと感じます」「「自分としては単なるネットミームとして楽曲を消費して欲しくないという思いが強く、それがたくさんのイースターエッグを盛り込んだ理由でもあります。」と発言している。KAI-YOUは、「緻密なストーリーテリングによって語られるセンセーショナルな事件の内実や、それを補強するリリックとMVの節々に仕込まれたイースターエッグによって、話題性と奥深さをあわせ持つ稀有な楽曲」であるとしている。
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音楽性と構成
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「STRAY SHEEP (米津玄師のアルバム)」の記事における「音楽性と構成」の解説
収録曲のサウンドは多彩かつ奔放でミクスチャーの仕方も柔軟にして自由であり、さまざまな音楽性がモザイクのように折り重なったアレンジは音数も多く、隙間なく音が詰まったゴージャスなものとなっている。その中で、あらゆる要素がしっかりと計算され配置された緻密なアレンジも本作の音楽性の特徴である。また本作の録音は、キレのいい中高域と、重厚で分厚い低域を持った、欧米のポップ・ミュージックの最新潮流と共振したものになっている。全15曲の内12曲には共同アレンジャーとして現代音楽家の坂東祐大がクレジットされており、米津はロッキング・オン・ジャパンのインタビューにおいて、坂東の参加がアルバムのテーマのひとつを構成するほどの影響を及ぼしたと語っている。 音楽ジャーナリストの柴那典は、「カムパネルラ」や「迷える羊」、「海の幽霊」などに描かれた友愛の情がアルバムに通奏するひとつの軸としてのエモーションにもなっているとしている。また死別した大切な人に募る思いを歌った「Lemon」が8曲目という真ん中の位置に置かれていることなどを挙げ、「アルバムでは“喪失”がもうひとつの重要なモチーフになっている。」と述べた。音楽ライターの蜂須賀ちなみは、「Lemon」が「優しい人」の後に置かれることによってアルバム中盤の重みが増しており、またその次の「まちがいさがし」が救いの曲となっているとし、「紙を押さえる文鎮のように、この3曲を中盤に配置することによって、アルバムの重心が定まった。」と述べている。
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