韓国の文学とは? わかりやすく解説

韓国の文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 16:30 UTC 版)

朝鮮文学」の記事における「韓国の文学」の解説

1970年代は若い新人たちの輝かし活動断然脚光を浴びるようになった小説分野では崔仁浩黄晳暎趙海一趙善作など多くの若い作家たちが続々登場したいわゆる70年代作家呼ばれる人々多数読者を得る新聞小説席捲した。このようにして出た崔仁浩の『星たちの故郷』、趙海一の『冬の女』などは空前ベストセラーになって一種小説黄金時代謳歌した。 しかしこのような作品傾向に対してその商業主義文学としての病幤を指摘する批判の声高まり一方で産業社会到来とともにその病理的な面を作品通じて表現した趙世煕短編集珍しく多く読者を得るベストセラーになった。また黄晳暎工事現場労使関係扱った客地』や南北分断悲劇作品化した『韓氏年代記』などを発表した1970年代詩界では維新体制と暗い政治状況の下で詩人金芝河発表した『五賊』が筆禍事件となって国際的な議論投げかけた。この外にも詩人として鄭鎭圭鄭玄宗利道・李昇薫などを挙げることができる。これらの作品現代詩新し変貌を示す先駆的な役割果たした1980年代入って小説のなかで大きな流れ形成するようになったのはそれまでほとんど見られなかった大河小説登場だ。これが読者にも大き反響を得るようになったが、その代表的な作品として黄晳暎歴史小説『張吉山』と趙廷来の『太白山脈』などを挙げることができる。とくに『太白山脈』は韓国出版史最大売れ行きとなったこの他李文烈長編英雄時代』も文壇注目を引き、その後彼は1990年代にかけて旺盛な作品活動をしている。詩の分野では李晟馥黄芝雨・崔勝子金光圭などが注目を集める作品活動をした。1990年代入って多く商業主義的な小説現われ読者惑わす傾向もあったが、朴景利大河小説土地』が25年にも渡る執筆期間を経て完成されたことは意味深い。 さらに作家洪盛原1960年代登壇した1990年代に至るまで『モンドング』『月と刀』などの大作発表している。また申京淑孔枝泳などの若い女作家たちの活動著しい。70年代以後著し作品活動をして来た高銀が「万人譜」「白頭山」などの長詩完成し1930年代詩壇出た徐廷柱が初詩集『花集』以後引き続き作品書いている。女流詩人たちも洪允淑金南祚・金郷・千良姫などが1950年代以降詩作品たゆまぬ発表続けている。 1980年代には民主的平等な国家作るための闘争的な色合いの濃い作品多く登場した。これは言うまでもなく386世代登場関連しており、日本でかつて流行した新左翼ムーヴメント似た傾向持っていたため、批評空間のような文芸批評誌が80年代韓国文学注目したことがある労解のような反権力的な詩が発展したのも韓国文学一つ特徴である。(1991年国家保安法違反嫌疑捕まったが、1998年特赦された。) 1990年代に入るとペ・スアのような村上春樹吉本ばなな影響受けた若い作家達が登場した他方若い時代民主化運動費やしたことへの喪失感表現する作品多く発表された。90年代以降韓国文学日本文学影響大きく受けており、今後日本文化開放と共に一気韓国流入してきた在日朝鮮人文学ライトノベルからの影響無視できない。 なお、純文学ではないが、1990年代ベストセラーとしては李恩成1937年1988年)の『小説東医宝鑑』(1990年)が300発売で『太白山脈』を上回る史上最高記録更新し金辰明1957年~)の『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』1993年)も200部以上を売った。これらはいずれ日本語訳出ている。

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