韓国におけるソメイヨシノ起源説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 04:09 UTC 版)
「王桜」の記事における「韓国におけるソメイヨシノ起源説」の解説
「韓国起源説の一覧#動植物」も参照 一方韓国では、日本からの独立後にソメイヨシノを日本の木であるとして伐採していたが、1962年に朴万奎(パク・マンギュ)と夫宗休(プ・チョンギュ)の二人の植物学者によって鎮海にあるソメイヨシノは済州島原産であるとの説が発表され認識が改められた。それ以降は王桜とソメイヨシノが同種であるとの説が支配的となった。 このため韓国では、韓国三大紙や聯合ニュースのような主要メディアも4月前後になると、しばしばソメイヨシノの韓国起源説を取り上げ、海外への広報活動を行うこともある。 また、韓国国立山林科学院暖帯山林研究所のキム・チャンス博士は、日本統治時代に日本人が済州島の王桜を改良、のちに大量増殖し、それを3000株アメリカに贈ったものが、ポトマック川川辺のサクラだと主張している。。 また、アメリカ農務省のサイトに掲載された韓国人チョン・ウンジュ博士のDNA調査(2011年4月改訂)では、この2種は完全に別種と結論づけていたが、2014年4月に、韓国KBSの取材に答えたチョン博士は、この論文は誤りであったとし、近くソメイヨシノの起源が王桜であるとする論文を発表すると前言を翻した。 さらに2015年当時アメリカン大学(AU)の学長であったLouis W. Goodmanは、在米韓人科学技術者協会(KSEA)の第3回年例会議で、環境アナリストによって行われた研究の結果「DC地域の桜と済州島産桜が同じ種と確認された」とし、「DCの桜は韓国済州島が原産地である王桜」、「当該の桜の木が、珍しい植物を収集した日本に、遠い昔済州島及び鬱陵島地域で採集された可能性もある」と韓国起源説を後押しする仮説を立てた。 韓国国外ではソメイヨシノ起源説は既に否定されていたが、2018年9月に韓国国内でも漸くソメイヨシノはエドヒガンを母系、オオシマザクラを父系として数百年前に日本で人為的な交配を通じて作られた品種であり、王桜と全く関係性がないことが報道された。韓国の研究家が王桜をゲノム分析した結果、王桜はエドヒガンを母系、ヤマザクラを父系として自然で雑種交配で誕生した第1世代自然雑種と発表された。中央日報で起源をめぐる論争が「やや呆気なく終止符を打たれた」と報道された。 2018年、韓国の山林庁国立樹木園は明知大学校・嘉泉大学校との研究チームと済州島の王桜のゲノム解析を行ない、島に自生するエドヒガンを母系、ヤマザクラを父系とする自然雑種であるとの研究結果を『ゲノムバイオロジー(英語版)』9月号に発表した。 2022年、ソメイヨシノと王桜は別種であることを理由に、すでに植樹されたソメイヨシノを王桜に植え替える「王桜プロジェクト2050」が発表された。この計画の中で自生する王桜はクローンであるソメイヨシノより気候変動など環境変化への対応力が優れると主張している。
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