かん‐ばつ【間伐】
間伐
育成段階にある森林において樹木の混み具合に応じて、育成する樹木の一部を伐採(間引き)し、残存木の成長を促進する作業。この作業により生産された丸太が間伐材。一般に、除伐後、主伐までの間に育成目的に応じて間断的に実施。間伐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 02:53 UTC 版)
間伐は、樹木の生長に伴って混み合ってきたが主伐には至らない森林で、樹木の生育を促すために間引くための伐採である。森林の荒廃を防ぐことで自然環境を守る事、林業では長期的な収入を得る事を目的とする。また、林床に太陽光線が届くようになり、日当たりが改善する事で下草が生育しやすい環境ができる。このため、土壌の流出防止にも繋がることから、土砂災害防止のためにも重要視される保育作業である。 日本国内の人工林は太平洋戦争終戦前後に政策的に植えられたスギやヒノキが多く、2010年代には伐採期を迎えている。人工林や里山など人の手が入った天然林で行われる。樹木相互の競争に負けた劣勢木や入皮が生じた木などを中心に伐採し、将来木材としての利用価値が高いと思われる樹木を残すなどする定性間伐と、伐採経費を抑えるために機械的に一定量を伐採する定量間伐とに大別される。 そんな中でいわゆる「放置林」の増加による森林の荒廃が深刻化しており、安価な輸入木材の流入に伴う価格下落から、採算が合わずに森林管理が行き届かない地域が増えている。必要な時期に間伐を行わない場合、材質が低下し製品としての価値が無くなるばかりでなく、森林全体が不健康となり、森林の持つ公益的機能が十分に発揮されないおそれが生ずる。間伐を行わないことにより、細く弱い木が林立してしまった状態は「線香林」「もやし林」と呼ばれる。こうなると日光が下まで届かなくなり、下草が生えなくなるため保水力が低下し、ちょっとした風雨で木は倒れ、表土が流出しやすくなる。さらに、線香林化してから無理な間伐を行うと、残った木も自然災害で全滅しかねないため、こうなってしまうと小規模な間伐を少しずつ行うしかなくなる。 そのための方法として、いくつかの列を作り、その部分の木をまとめて伐採する「列状間伐」や、木を伐採せず皮を剥いて立ち枯れさせる「巻枯らし間伐」、表皮を剥がして水分を抜くことで1年ほどで枯れさせる「皮むき間伐」などが実施されている。皮むき間伐は、表皮にナタや竹ベラで切れ目を入れてめくれた部分を人力で引っ張るだけなので重機を必要とせず、水分量が少なくなった後は軽いため簡単に運び出すこともできる。 日本においては、温暖化ガスである二酸化炭素を吸収する森林の機能を維持・拡大する目的もあって森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法(間伐等特措法)が制定されている。
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間伐
「 間伐」の例文・使い方・用例・文例
- (山林の木を)間伐する
- 立木を間伐すること
- グローバル・ループは,ユーカリや再生木材,森からの間伐材で作られた幅21メートル,全長2.6キロの回廊である。
- しかし,ブッシュ政権下,米国農務省がその国定公園にある比較的若いセコイアの木を商業目的で間伐することを計画していた。
- 同省は間伐が山火事を防ぐのに役立つだろうと述べた。
- 8月22日,カリフォルニア州の連邦地裁は,その国定公園における間伐は環境法令に違反していると裁定し,同省に計画を中止するよう命じた。
- それは尾鷲の森で間伐されたヒノキから切られている。
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