鑑真の渡日と戒律の伝来とは? わかりやすく解説

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鑑真の渡日と戒律(かいりつ)の伝来

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 06:19 UTC 版)

唐招提寺」の記事における「鑑真渡日戒律かいりつ)の伝来」の解説

鑑真688年 - 763年)の渡日については、淡海三船撰の『唐大和上東征伝』(宝亀10年779年成立)が根本史料となっている。唐招提寺歴史について同書のほか、『招提寺建立縁起』、江戸時代のものである元禄14年1701年)義澄撰の『招提千歳伝記』などの史料がある。『建立縁起』は、承和2年835年)に鑑真孫弟子にあたる豊安記した招提寺流記』が原本であるが、この原本はすでに失われ抄出したものが『諸寺縁起集』(護国寺本、醍醐寺本)に収録されている。 鑑真仏教者に戒律授ける「導師」「伝戒の師」として日本招請された。「戒律」とは、仏教教団の構成員が日常生活上守るべき「規範」「きまり」を意味し一般仏教信者授ける「菩薩戒」と、正式の僧に授ける「具足戒」とがある。出家者が正式の僧となるためには、「戒壇」という場で、「三師七証」という授戒の師3人と、証明師(授戒儀式立会い見届ける役の高僧)7人のもと、「具足戒」を受けねばならないが、当時8世紀前半)の日本ではこうした正式の授戒制度整備されておらず、授戒資格のある僧も不足していた。そのため、官の承認経ず私的に出家得度する私度僧増え課役免除のために私度僧となる者もいて、社会秩序乱れつながっていた。 こうした中、天平5年733年)、遣唐使と共に渡唐した普照栄叡という留学僧がいた。彼らが揚州(現・江蘇省)の大明寺高僧鑑真初め会ったのは西暦742年10月のことであった普照栄叡は、日本には正式の伝戒の師がいないので、しかるべき高僧推薦いただきたい鑑真申し出た鑑真弟子達は渡航危険などを理由渡日拒んだ弟子達の内に渡日志をもつ者がいないことを知った鑑真は、自ら渡日することを決意する。しかし、当時航海命懸けであった上に、当時、唐から出国することは国禁犯すことであった。そのため、鑑真普照栄叡らの渡航計画挫折連続であった1回目渡航計画743年)は、鑑真弟子の如海の密告により、船を出す前に発覚し普照栄叡捕縛されてしまった。2回目渡航計画同年)では、船は揚子江下ったものの強風難破する第3・4回目の渡航計画744年)は密告によって頓挫し、船を出すこともかなわなかった。748年5回目渡航計画では嵐に遭って船が漂流し中国最南端の海南島まで流されてしまった。陸路揚州へ戻る途中それまで行動を共にしてきた栄叡病死し高弟の祥彦(しょうげん)も死去鑑真自らは失明するという苦難味わった753年6回目渡航計画でようやく来日成功するが、鑑真当時既に66になっていた。 遣唐使船に同乗し、琉球経て天平勝宝5年753年12月薩摩国上陸した鑑真は、翌天平勝宝6年754年2月、ようやく難波津大阪)に上陸した同年4月東大寺大仏殿前で、聖武太上天皇光明皇太后孝謙天皇らに菩薩戒授け沙弥、僧に具足戒授けた鑑真天平勝宝7年755年)から東大寺禅院住した後、天平宝字3年759年)、前述のように、今の唐招提寺の地を与えられた。大僧都任じられ、後に大和上尊称贈られ鑑真は、天平宝字7年763年5月波乱の生涯日本閉じた数え年76であった

※この「鑑真の渡日と戒律(かいりつ)の伝来」の解説は、「唐招提寺」の解説の一部です。
「鑑真の渡日と戒律(かいりつ)の伝来」を含む「唐招提寺」の記事については、「唐招提寺」の概要を参照ください。

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