鑑識や法科学的調査での使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/20 22:18 UTC 版)
「ルミノール」の記事における「鑑識や法科学的調査での使用」の解説
ルミノール試験 警察の鑑識で、ルミノール反応を応用したルミノール試験が行われる。ルミノール試験とは、血痕の鑑識に用いられる試験で、現場から血痕を探す場合などに利用される。斑点にルミノールの塩基性溶液と過酸化水素水との混液を塗布、または噴霧して暗所で見ると、斑点が血痕であれば青白い光を発する。本法は化学発光に基づく試験できわめて鋭敏で、新鮮な血痕より、ヘミンを形成しているような古い血痕の方が発光が強い。 その他の触媒物質 ただし、先に述べた通り、血液は触媒となる物質のひとつに過ぎない。過酸化水素を分解する物質はルミノール反応の触媒となる。たとえば、大根にはパーオキシダーゼ(peroxidase、ペルオキシダーゼとも呼ばれる)という酵素が含まれているが、パーオキシダーゼは過酸化水素を分解し、物質の酸化反応を促進する触媒の働きをする。パーオキシターゼは大根だけでなく、セイヨウワサビやキュウリをはじめとする植物に含まれており、食品添加物としても使用されている。従って、ルミノールと過酸化水素水の混合溶液を、パーオキシダーゼを含む物質に触れさせると、ルミノール反応が起こる。 そのため、ルミノール反応による血液鑑定はあくまでも、予備試験にしか過ぎない。ルミノール反応で発光したとしても、ただちにそれが血痕と断定することはできない。この検査後、本当に血液であるかの鑑定、人間の血液であるかの鑑定をしなければ、裁判上の証拠能力としては低いものとなってしまう。 その他 1949年7月に起きた下山事件で、日本で初めてルミノール反応を利用した捜査が行われた。
※この「鑑識や法科学的調査での使用」の解説は、「ルミノール」の解説の一部です。
「鑑識や法科学的調査での使用」を含む「ルミノール」の記事については、「ルミノール」の概要を参照ください。
- 鑑識や法科学的調査での使用のページへのリンク