路線構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 16:28 UTC 版)
ここでは、東北縦貫線計画によって建設された上野東京ライン専用区間である上野駅 - 東京駅間について解説する。 東北新幹線建設時に撤去された秋葉原駅 - 神田駅南側に新設した高架橋(新幹線上の重複部およびアプローチ部:合計約1.3km)と、その両側の工事開始前に使用されていた留置線とそこへの接続線東京駅 - 神田駅間(約0.9km)・秋葉原駅 - 上野駅間(約1.6km)の既存の高架橋上の線路を改良した合計3.8km(営業キロ3.6km)の高架構造となっている。 高架橋の設計耐荷重:新設された高架橋の設計荷重(「活荷重」の列車荷重の項目参照)は電車や気動車のみを対象としたM荷重ではなく、電気機関車重連で貨物列車の走行を想定したEA荷重で最も強度があるEA-17荷重規格で建設が行われた。このことが分かるものとして神田駅北側で交差する中央通りに架かる「神田大通りこ線線路橋」に設計荷重の(EA-17)と記載された銘版がつけられている。また実際にこの活荷重を証明するため、2015年2月21日に電気機関車重連(EF65 1106と1107)による走行および勾配起動試験が実施された。 アプローチ部の勾配:アプローチ部の勾配は東京方および上野方とも法令(鉄道に関する技術上の基準を定める省令の解釈基準〈国土交通省鉄道局長通知 平成14年3月8日国鉄技第157号〉)に定められている基準の35‰を下回る34‰となっている。これは東京方では神田 - 東京間で交差する首都高速都心環状線の高架橋を上野方では秋葉原駅で交差する総武線の高架橋を勾配開始のコントロールポイントとし、神田駅上で新幹線の建築限界の確保のためにここを勾配終了のコントロールポイントとしたためである。なお、35‰という勾配は「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」に統合される前の普通鉄道構造規則にある通り「機関車列車線路以外のすべての列車」かつ「500トン未満のけん引重量を機関車によりけん引する列車」が登ることができる勾配として定められたものであり、重量が規則を超える貨物列車を除くすべての列車が走行可能なものである。しかしながらJR東日本では、1ユニットが故障した場合にそれをカットした編成でも登坂起動が可能であり、かつ勾配上で故障により無動力となった車両を推進して登坂することが可能な車両のみで運行することを本路線の運用の内規としている。このため、この区間での客車列車および貨物列車の走行は、通常では行われない。
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