試作編成の落成から量産編成の登場へ
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「新幹線N700系電車」の記事における「試作編成の落成から量産編成の登場へ」の解説
2005年3月4日に日本車輌製造・日立製作所・川崎重工業により先行試作車(Z0編成)が完成し、JR東海浜松工場にて報道陣に公開された。同月10日未明に公式試運転として浜松 - 静岡間で初めて本線を走行し、4月4日から走行試験を開始し、7月16日には三島 - 浜松駅間での日中走行も実施した。同月24日には初めて東京- 新大阪間を走行し、29日には山陽新幹線に乗り入れて博多まで走行、そして9月7日には速度向上試験で320 km/hを記録した。この先行試作車による2年間の実験走行を経て、量産車(Z1編成以降とN編成)を投入することとなった。 2006年12月7日、日本車輌製造豊川製作所で量産車となる構体が報道関係者に公開された。この構体は「Z1編成」のもので、翌2007年3月より搬入が開始された。これにより、100系以来続いていた「量産先行試作車の*0編成→*1編成への改番・量産化改造および営業運転への導入」という東海道・山陽新幹線での慣例を破ることとなった。Z0編成はそれまで各種技術試験を行ってきた300系の量産先行試作車「J1」編成が廃車されたのと、車掌室やコンセントの位置、喫煙ルームの有無が量産車と異なり営業運転に支障をきたすため量産化改造は見送られ、J1編成の後継となる試験車として運用されることになった。尚,Z0編成は,N700S先行試作車J0編成の登場によって廃車になっており,リニア,鉄道館で新大阪方面先頭が保存されている。 同年5月23日には報道関係者約300人向けの試乗会が実施された。使用されたのはZ2編成で、同年7月1日の営業運転開始までにJR東海が準備する5本の編成のうちの一つだった。東京- 博多間を約5時間半で走行し、途中名古屋・京都・新大阪・岡山・広島に停車した。東京を11時46分に出発し、掛川通過直前に「只今車体傾斜を行っています」という車内アナウンスが流れ、名古屋到着まで幾度か同様の放送が流れたが、ほとんどの添乗者が車体の傾きを体感しなかった。同乗したJR東海の担当者は、カーブに入る手前の緩和曲線を含めて線形を読み、走り込みを続ける中で傾けるタイミングを調節したと語った。その後、同年6月16日・17日・24日に公募による一般向けの試乗会も開催された。 営業運転開始後の2007年8月21日 - 9月11日までの間、JR西日本所有のN1編成が10両に短縮され、新下関 - 新山口間を試験走行した。具体的には1, 5 - 12, 16号車 が連結され、外周幌の取り外しによる乗り心地の変化などがテストされた。9月12日以降は16両に戻されて通常運行に使用されている。 車両輸送は、日立物流や日本通運などが行っている。2008年春には日本通運のCMで本系列の輸送シーン(Z7編成(現・X7編成)の納車時)が放映されていた。 N700系Z0編成(2011年1月30日 岐阜羽島) 深夜に浜松工場へ搬送・納車されるN700系車両(2007年10月24日 浜松市西区内)
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