職員による施設内虐待
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 17:09 UTC 版)
「児童養護施設」の記事における「職員による施設内虐待」の解説
恩寵園事件は、児童養護施設における最も悪質な虐待事件として報道された。施設職員による埼玉児童性的虐待事件も起こっている。平成19年厚生労働省第1回社会保障審議会少子化対策特別部会資料では入所児童の権利擁護の状況について、「第3者評価等の取組が進んでおらず、施設内虐待も相次いでいる」と表記されている。平成18年10月6日付厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長通知によると、埼玉県、大分県及び鹿児島県を例に挙げ、児童養護施設の職員が入所児童に対し性的虐待等の行為を行っていたことが明らかとなったことで府県に施設監督について注意喚起をしている。 一連の虐待事件からは、児童の安全確認等のための立入調査等の強化、保護者に対する施設入所等の措置のとられた児童との面会又は通信等の制限の強化、児童虐待を行った保護者が指導に従わない場合の措置の明確化等のための規定の整備を行う「児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」が国会に提出され、平成20年5月25日に全会一致で成立したといった子供の権利擁護向上のきっかけとなっている。 2014年7月には、勤務先の児童養護施設で少年に性的虐待を繰り返したとして、4件の強制わいせつ罪に問われた元指導員(35)の判決公判が神戸地裁であった。4件のうち3件について有罪とし、懲役5年(求刑懲役8年)を言い渡されている。 2014年9月には東京都が管理を委託する児童養護施設の社会福祉法人「東京都石神井学園」(練馬区石神井台3丁目)に入所していた高校2年の女子生徒(16)に、わいせつな行為をしたとして、同施設の男性元職員(23=埼玉県狭山市上奥富)を児童福祉法違反の疑いで逮捕されている。 2016年1月、勤務先の児童養護施設で、入所児童にみだらな行為をしたとして、佐賀県警は6日、強制わいせつの疑いで、佐賀市の容疑者(30)を逮捕した。逮捕容疑は2014年6月末ごろ、3~17歳が入所する県内の児童養護施設で、13歳未満の入所児童の下半身を複数回にわたって触るなど、わいせつな行為をした疑い。容疑を否認しているという。 施設の(先生)が入所者から預かっている現金や銀行口座の預金を横領し、ギャンブルなどの借金返済や遊興費などに使っていた事例がある。 入所者の児童手当を着服したとして、京都府では2016年3月に業務上横領の疑いで、児童養護施設の元施設長の男(55)=児童福祉法違反の罪で公判中=を再逮捕した。 北海道の道央の児童養護施設では2013年8月から14年3月にかけて、道が措置入所させた女児らに対し、男性職員(当時)がわいせつ行為を繰り返していた。女児側が損害賠償を求めて道を提訴し、道と同施設を運営する社会福祉法人が、それぞれ200万円支払うなどで和解している。施設での虐待報告によると、児童の居室や洗面所など第三者の目が届きにくい場所で行われていたケースが突出している。 児童養護施設「東京サレジオ学園」では、かつて入所児童だった者から、「神父から性的虐待を受けていた」と2019年3月現在告発されている。 埼玉県北部にある児童養護施設で幹部職員から殴る蹴るは日常といった虐待を受けたとして、元入所者の男性(22)は2020年12月、県に虐待の調査や改善などを求めて通告したと報道されている。
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