線路の状況と活用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 17:30 UTC 版)
休止後も、線路や架線柱などはそのまま残された状態だったが、ほとんど整備はされておらず、即座に運行再開できる状態ではなかった。長い年月の経過で枕木は朽ち果て、国道16号の横断など踏切はほぼすべてアスファルト舗装で埋められた。1993年に入間川に架橋された八瀬大橋(県道114号)の取り付け道路は、安比奈線のアンダーパスを考慮せず、路線を完全に遮っている。 かつては線路上を歩くこともできる状態であったが、長らく放置され、枕木の腐朽が進んで危険なことから、踏切などから線路に入れないよう柵が取り付けられた。また敷地内への立ち入りを禁止する旨の看板も設置されている。 2006年(平成18年)11月5日、西武鉄道の前身川越鉄道の開業111周年を記念した「小江戸川越鉄道開設111周年記念フェア」の関連イベントとして、「幻の貨物線西武安比奈線を歩く」が開催された。 花壇と化した軌道 休止の年月を物語る架線柱 枕木の残る箇所は稀少 八瀬大橋付近の、道路に分断された線路 川越が主な舞台となった2009年(平成21年)上期のNHKの連続テレビ小説『つばさ』では、オープニングシーンで当路線の一部(池の辺の森 - 池部用水橋梁付近)が映し出されている。写真では枯葉のシーズンの廃線跡が掲載され、劇中でも川越市内を電波調査して回るシーンのほか、つばさ(多部未華子)と昌彦(宅間孝行)が線路脇を歩くシーン、竹雄(中村梅雀)が妻の加乃子(高畑淳子)を乗せたトロッコを押して走り続けたら西武新宿駅まで行ってしまうシーン(実際には線路が分断されているので行くことはできない)、最終回終盤においては当路線にて翔太(小柳友)がつばさの乗ったトロッコを押して走るシーンが見受けられる。 番組放送に合わせ、2009年(平成21年)4月から9月末日までロケ地が遊歩道として開放され、撮影時使用されたトロッコも展示されたほか、放送を記念した見学イベントも開催された。同年12月放送の『つばさ総集編』前に放送されたスピンオフ『好きと言えなくて。青春編』にもトロッコを押して走るシーンが放映された。 遊歩道入口 遊歩道 トロッコ 正式廃止後の跡地については川越市や関係機関と今後の活用を協議しているが、現時点で未定となっている。鉄道設備の老朽化が進行しているため、2017年(平成29年)12月16日から2018年(平成30年)3月31日の工期で旧安比奈線設備撤去作業が実施され、架線柱の撤去工事が行われた。その後も作業が続けられているが、レールや枕木、橋桁の撤去は行わないという。
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