経済成長と金権政治の時代とは? わかりやすく解説

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経済成長と金権政治の時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 06:44 UTC 版)

金ぴか時代」の記事における「経済成長と金権政治の時代」の解説

日本語で「金ぴか時代」とも訳されている「Gilded Age」の「gilded」とは、金箔金メッキ、なにかを金色に塗ること、そして富裕層成金意味する。つまりまで金素材なのではなく金色粉飾する、という意味である。 南北戦争後アメリカ合衆国北部中心とする一つ大きな国民経済まとまり確保された。1869年オマハサクラメントを結ぶ最初の大陸横断鉄道開通しヨーロッパからさらに多数移民ひきつけたこうした資本主義急速な成長の下、鉄鋼アンドリュー・カーネギースコットランド出身)、石油王ジョン・ロックフェラー銀行家ジョン・モルガン鉱山グッゲンハイムの父マイアー・グッゲンハイムスイス出身ユダヤ系ドイツ人)など名立たる富豪輩出した海運業から鉄道転じたコーネリアス・ヴァンダービルトオランダ系)、セントラル・パシフィック鉄道創業者のひとりコリス・ポッター・ハンティントン(英語版)、カリフォルニア州スタンフォード大学創立したリーランド・スタンフォード南満州鉄道日米共同経営提案したエドワード・ヘンリー・ハリマン悪徳資本家典型みなされ、「泥棒男爵」と呼ばれたジェイ・グールドなどは、いずれも鉄道王」と呼ばれた実業家である。鉄道は、アメリカで最初に現れ大企業であり、19世紀末にはアメリカ1国の鉄道網が全ヨーロッパのそれを凌駕したまた、鉄道王」たちは豪奢きわめた別荘各地建設した。しかし、政治腐敗し国家庇護受けた資本家はさらに富を蓄え下層人々貧困に喘いだ。 「金ぴか時代」とは、浮付いた好況拝金主義を皮肉り、こうした経済急成長と共に現れ政治経済腐敗や不正を批判して、皮肉の得意な小説家マーク・トウェイン命名した時代名称である。トウェインとチャールズ・ダドリー・ウォーナー(英語版)の共著金ぴか時代金メッキ時代)』では、議員ロビイストたちがいかに簡単にカネ買収されるかが、露骨に描かれている。反面多く人びと高度成長成功夢に自身運命託した時代であり、一代巨富を築く「アメリカンドリーム」と称される成功物語立身出世物語もてはやされた。落ちぶれた少年であっても努力勇気決断などを通じて富と成功実現させることができるというモチーフ小説著したホレイショ・アルジャー作品群はその代表例である。また、チャールズ・ダーウィンによる生物学進化論人間社会にも適用して自由競争自然淘汰適者生存説く社会進化論流行し一世を風靡した時期でもあった。なお、作家・思想家ヘンリー・アダムスは、この時代を「市場宗教に取って代わった時代」と評した。 「金ぴか時代」は、軽佻浮薄時期として扱われる一方で、かつてのような西欧社会辺境位置する農業社会から工業都市特徴とする社会へと大きく変貌しまた、世界表舞台へと躍り出た時期でもあった。その変化あまりにも巨大かつ急激なものであったため、アメリカ社会そのもの大きく揺さぶり従来からの価値観生産様式等に固執する人びとは、こうした変化とそれにともなう新し現象反発違和感疎外感をいだき、さまざまなかたちで抵抗した

※この「経済成長と金権政治の時代」の解説は、「金ぴか時代」の解説の一部です。
「経済成長と金権政治の時代」を含む「金ぴか時代」の記事については、「金ぴか時代」の概要を参照ください。

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