紙本墨画竜虎図とは? わかりやすく解説

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紙本墨画竜虎図〈単庵智伝筆/六曲屏風〉

主名称: 紙本墨画竜虎図〈単庵智伝筆/六曲屏風
指定番号 2019
枝番 00
指定年月日
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 一双
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文:  わが国における竜虎図は、鎌倉時代中期以降禅宗文化興隆のなかで宋元書画鑑賞流行した際に、禅寺等に蒐集されていった舶載画を基盤として確立していったものと考えられている。たとえば「君台観左右帳記くんだいかんそうちょうき】」絵の筆者上中下では牧谿もっけい】と楊月〓【ようげっかん】の項に竜虎挙げられており、牧谿画の影響大きいものがあったと思われる
 本図の左隻に描かれる竹虎図も、牧谿の「竜虎図」(明治三十二年八月一日指定および明治四十一年四月二十三日指定重文京都・大寺所有)を学んでいる。『等伯画説【とうはくがせつ】』には単庵智伝【たんあんちでん】についての記載があり、単庵が相阿弥そうあみ】(~一五二五)に望まれ弟子となった伝える。本図筆致にみる柔軟な没骨描【もっこつびょう】と、墨の濃淡駆使した量感表現は、阿弥派技法による制作であることを示している。
 単庵の作例としては、「梅花小禽【ばいかしょうきん】図」「遠寺晩鐘【えんじばんしょう】図」(ともに個人)、「五位鷺図」(東京国立博物館ボストン美術館)等約一〇点が知られているが、いずれも阿弥派画風忠実であり、単庵を相阿弥直接弟子とする『等伯画説』の記載信憑性は高いといえよう
 本図制作時期については、『等伯画説』の記載正しいとすれば相阿弥自身弟子望んだとすることから相阿弥没年一五二五)以前弟子となっており、二五、六歳で喧嘩をして早世したと記すことから、一六世紀初めころの作とみられる
 室町時代から桃山時代にかけての竜虎屏風作例としては、雪村せっそん】本(クリーブランド美術館)、長谷川等伯本(ボストン美術館)、曽我直庵【ちょくあん】本(東京国立博物館)、狩野山楽さんらく】本(明治四十五年二月八日指定重文京都妙心寺所有)等が知られているが、本図はいずれよりも制作時期早い
 本図は、現存する最古竜虎屏風として貴重であり、か阿弥派画家庵智伝の唯一の大作かつ代表作として絵画史上に重要であり、室町時代から桃山時代への過渡的な様相を示す作例としても注目される



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