目撃談にまつわる問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 16:35 UTC 版)
「ロズウェル事件」の記事における「目撃談にまつわる問題」の解説
詳細は「ロズウェル事件の目撃談」を参照 何百人もの目撃者たちがさまざまな研究家たちによってインタビューされた。これは印象的な数字だ。しかし実際に残骸または異星人を見たと主張する真の「目撃者」たちの少なさは同じぐらい印象的である、と批評家たちは指摘する。ほとんどの「目撃者」たちは実際には他人の主張を繰り返していて、彼らの証言はアメリカの裁判所では認められない伝聞証拠となるであろう、とコーフは言う(p.29)。コーフによると、The Roswell Incident のためにインタビューされたと主張されている90人の目撃者のうち、25人の証言だけが本の中に現れ、7人だけが実際に残骸を見ていた。これらのうち、5人が残骸に触れている。 最近のカール・T・フロックKarl T. Pflockは、彼の2001年の本の中で、ランドルとシュミットのUFO Crash at Roswellについて同様の指摘をしている。約271人の人々が本書のために「接触されインタビューされた」人として本の中にリストされており、この数は匿名のままを選択した人たち、その他、を含んでいないため300人以上の「目撃者」たちがインタビューされたことを意味する。著者たちが頻繁に引き合いに出すとフロックが言う数字がこれである(p.176)。フロックによると、これらの300人強の個人のうち、41人だけが「ロズウェルまたはフォートワース陸軍飛行場の中または周りで出来事を真性に直接にまたは間接に目撃したと考えられ」、23人だけが「フォスター牧場から回収された残骸、物理的証拠を見ていたと筋を通って考えられる」。フロックによると、これらのうち7人だけが残骸がこの世のものとは思えない起源を持つとの何らかの示唆を断言している(p.177)。 異星人を見たと主張する人たちからのいくつかの話について、批評家たちはこれらの話に次のような問題を認めている。また聞きの話の信頼性(パピー・ヘンダーソン、エクソン准将、その他)から、明白に偽の主張をするまたは複数の矛盾した話を作る目撃者たちについての深刻な信用性の問題(ジェラルド・アンダーソン、グレン・デニス、フランク・カウフマン、ジム・ラグズデイル)、疑わしい死の床での「告白」や高齢で明らかに混乱した目撃者(エドウィン・イーズリー少佐Maj. Edwin Easley、ルイス・リケットLewis Rickett)からの話まで(ch.3)。 フロックは2001年の手記で、異星人の死体の直接の知識を持ちロズウェルの著者たちによってインタビューされて認められたのは以下の四人だけの人々である、と記した: フランク・カウフマン; ジム・ラグズデイル; アルバート・ラヴジョイ・デュラン中佐Lt. Col. Albert Lovejoy Duran; ジェラルド・アンダーソン(p.118)。デュランDuranはThe Truth About the UFO Crash at Roswell の簡潔な脚注の中で言及されてから再び言及されたことはないが、フロックによると、他の3人は全員深刻な信用性の問題を持つ。 さらに、特定の著者たちが自分が支持するシナリオに合わない話を採用している、とフロックは指摘する。たとえば、フランキー・ロウFrankie Roweの話は、消防士だった彼女の父と彼のクルーが異星人の墜落現場に出動したと言う。しかし同じ本は極秘の軍に率いられた作戦を叙述する他の話を採用する。「"これらの話は"壁に全てのものを投げて何がくっつくか見る、というようなアプローチの一部として含まれるものと思われる…」(p.63)。 全ての目撃談にある基本的な問題は、それらが全て問題の事件の少なくとも31年後にもたらされ、多くの事例では事実の40年以上後に詳しく話された、ということである、と批評家たちは非難する。これだけ古い記憶は信頼性が疑わしいだけでなく、それらは彼らがそれまで聞いてきた他の話からの混入も受けやすかった、と批評家たちは言う。 最後に、1947年に回収したものが「この世界のものではない」と最初に疑ってこの事件への興味をスパークさせたジェシー・マーセルと、父がフォスター牧場で残骸を発見したビル・ブレイゼル・Jrという、二人の主張が転換されたことは、彼らの主張の信頼性に深刻な疑いを投げかける。 ティモシー・プリンティTimothy Printyは、マーセルはフォートワースで撮られた写真に彼と一緒に写る物体が彼が回収した残骸の一部であることを明確に認めている、と指摘する。この残骸については懐疑論者たちもUFO擁護者たちも気球デバイスからの残骸であると合意している。 マーセルはThe Roswell Incident の中でこう言っている。「実際は、この物体はスズ箔とバルサ材に似ていたようだが(強調は原文)、しかし類似性はそこで終わっていた」。そして、「彼らは何らかの面白くない金属製の残骸を支える床の上で私の一枚の写真を撮った...その一枚の写真の中の材料は我々が見つけた実際の材料の破片だった。それは上演された写真ではなかった」。 彼は一緒にポーズを取っていた物体が気球隊列の物体であるという指摘を受けた後、その物体は自分が回収したものでなかったと言うように話を変えてきた。ロバート・G・トッドRobert G. Toddのような懐疑論者たちは、マーセルが、一人のパイロットであったと主張したり五つのエアメダルを受け取っていたりと、潤色と誇張の歴史を持っていたと主張する。そして彼の発展していくロズウェルの話はこれのもう一つの実例であった。 マーセルと同様、ビル・ブレイゼル・Jrには彼の最初の話を潤色した罪がある、とプリンティは責める。マーセルと同様、彼は最初は、後に他の者からの話で言及された、地面にある溝のようなものには何ら言及をしていなかった。しかし後の話が深い溝を出現させてそこから異星人と彼らの乗り物が回収されたと主張するにつれ、ブレイゼルの話も変わっていき、1980年代後期にはこう言っていたほどである:「このことはそこを通るすごいわだちを作った。そのせいで牧草が戻って回復するのに1年か2年かかった」。
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