発売開始後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:55 UTC 版)
「あつまれ どうぶつの森」の記事における「発売開始後」の解説
2020年3月20日の本ゲーム発売と同時期に発生している緊急事態宣言や世界各国のロックダウン(都市封鎖)といった新型コロナウイルスの感染拡大防止対策に伴う「巣ごもり消費」もあり、シリーズ過去最高の出足となっているだけでなく、Nintendo Switch用ソフトの中でも過去最高ペースの売れ行きを見せている。また、任天堂の株価が本ゲームの発売以降、2020年4月13日までに19%上昇、同年8月中旬には約12年ぶりの高値になったとブルームバーグなどが報じた。本ゲームの大ヒットは任天堂の決算にも反映され、同年8月6日に発表した2020年4~6月期決算は、純利益が前年同期比6.4倍の1,064億円、2021年2月1日に発表した2020年4~12月期連結決算は前年同期比91.8%増の3,766億円、同年5月6日に発表した2021年3月期の連結決算は純利益が前期比86%増の4,803億円とそれぞれ最高益を更新した。 本ゲームの発売が新型コロナウイルスの流行期と重なったことに起因し、思わぬプレイスタイルや社会現象が生じた。事例として、新型コロナウイルスの流行により中止や延期を余儀なくされた卒業式や結婚式などのイベントをゲーム内の無人島で代替開催する者もいれば、アーティストの展覧会開催、芸能人のライブや交流の場としての活用するケース、企業が無人島に自社のドラッグストアやファーストフード店舗を出店したり、会社説明会を行うケース、公共機関が本ゲームで行政情報を発信するケース、選挙の立候補者が選挙活動(選挙運動)として使用するケース、本作の映像を利用してミュージックビデオを制作するケースが挙げられる。また、DIYで作成できる家具(墓)を利用して、現実世界で亡くなった家族やペットの追悼を行うケースもあった。 このほかにも、長期休館中の施設が本作でバーチャルツアーを展開しているほか、一部の美術館は所蔵作品の画像をマイデザイン用のQRコードにしたもの(またはQRコード作成ツール)を公開した。さらに、ファッションブランドによるマイデザイン機能を利用した新作デザインの公開が行われたケースもあった。 2021年には本ゲームを用いた短編ホラー映画『Don't Peek(原題)』を制作することが同年3月に報じられた。 これらの展開を受けて、任天堂は2020年11月19日に企業・団体向けのガイドラインを公開し、商品購入サイトへの誘導やクーポンの配布といったマーケティング行為や有償でのマイデザイン提供による金銭的な利益を得ることなどは控えるよう呼びかけつつも、条件つきで本ゲームを介しての企業・団体によるPRを追認する形となった。また、任天堂も同日に自社公式の島である「Ninten島」を公開した。 立命館大学教授の中村彰憲は朝日新聞の記事の中で、本作の反響の理由について「戦闘ゲームのように殺伐としておらず、ほのぼのとした平和を感じられるキャラクターとデザインが癒しを求める人たちに刺さった」と推測すると同時に、「自分たちで作った楽園(無人島)をSNSで気軽に共有でき、3密を回避した状況でもエンターテインメントとして成立していた」とも話している。一方、ライターのさやわかは同じ記事の中で、本作のシンプルな操作性や、現実の代替行為として機能していたことがヒットにつながったと話している。
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