男なら!
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男なら! | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 窪田篤人 |
演出 | 桜井秀雄、阿部祐三、楠田泰之 |
出演者 | 北大路欣也、酒井和歌子、高橋洋子、水島道太郎、中田喜子、坂上味和 ほか |
オープニング | 吉田拓郎「流星」 |
製作 | |
プロデューサー | 飯島敏宏 |
制作 | TBS、木下プロダクション |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 1979年4月10日 - 1979年9月25日 |
放送時間 | 火曜日20:00 - 20:55 |
放送枠 | TBS火曜8時枠の連続ドラマ |
放送分 | 55分 |
回数 | 25 |
『男なら!』(おとこなら)は、1979年4月10日から1979年9月25日までTBS系列にて放映されたテレビドラマ。
放映時間は毎週火曜日20:00 - 20:55。全25話。
概要・内容
東京・浅草にある自動車修理工場「中山モータース」が舞台の中心。「けんか安兵衛」の異名をとる中山健一は、5年前にチンピラと派手に喧嘩をしたのが元で祖父・吾平に勘当を言い渡され、その後は青森県八戸の自動車修理工場に勤めていた。しかし中山モータースの経営状況は悪くなっていき、これを心配した妹・こずえは「祖父キトク」のニセの電報を出して健一を呼び戻すことにし、健一は5年ぶりに帰って来た。翌日から、健一は中山モータースを切り盛りしながら、吾平と再び張り合うようになる。隣の美容院、近くの牛丼屋「猫田屋」、工場の裏のアパートに引っ越して来たこずえの担任の数学教師・紀子、健一を追って八戸からやって来た千代も絡み、下町の人情喜劇[1]が描かれた。
キャスト
- 中山健一:北大路欣也
- 広岡紀子:酒井和歌子
- 千代:高橋洋子
- 中山吾平:水島道太郎
- 中山みき(妹):中田喜子
- 中山こずえ(妹):坂上味和
- 中山光雄(弟):春田和秀
- 森野エミ子(美容院店主):加茂さくら
- 森野羊太郎(エミ子の夫):佐伯徹
- 猫田純三(牛丼屋主人):穂積隆信
- 猫田マリ子(純三の妻):木内みどり
- 努(従業員):山田隆夫
- 武史(従業員):桜木健一
- 松川(従業員):竹村洋輔
- リエ子:松岡明美
- 上杉:長塚京三
- 常吉:車だん吉
- さえ子(常吉の妹):岡まゆみ
- 飛田幸三:吉幾三
- 青井:岸部シロー
- 水島彩子(現・奈良富士子)
- まゆみ(こずえの同級生):川崎たか子
- 宮下:金野和弘(第4話ゲスト)
- 金井:芦川誠(第4話ゲスト)
- ルミ(こずえの同級生):星野幸子(第9話ゲスト)
- 組合長:関敬六(第18話ゲスト)
- 上杉の母:賀原夏子(第18話ゲスト)
- マドカ:樹れい子(第19話ゲスト)
- 吉田拓郎(第22話ゲスト)
スタッフ
- プロデューサー:飯島敏宏
- 脚本:窪田篤人(全話担当)
- 演出:桜井秀雄、阿部祐三、楠田泰之
- 制作担当:阿部祐三、大谷弘
- 技術:関巧
- カメラ:太田英夫、細野克雄、志村泰史、増井初明
- カラー調整:林泰雄
- 照明:倉本輝彦、山本守、川久保光雄、竹内留吉、須田清、肥沼敏明
- 音声:中島実、宮沢和夫
- VTR:荒井悦治
- 美術デザイン:石田道昭
- 美術制作:丸山俊史
- メイク:猪熊あゆみ、丸山良
- 衣裳:東京衣裳、目代博昭
- 大道具:熊野憲治、渡辺恵司
- 美術デザイン:石田道昭
- 美術制作:丸山俊史
- 美術:東京美工、京阪商会、植木装飾、前山建具、古磨電設、伊佐梅
- 制作:木下プロダクション、TBS
主題歌
「流星」- 歌:吉田拓郎 (作詞・作曲:吉田拓郎 編曲:鈴木茂)
サブタイトル
話数 | 放送日 | サブタイトル | 演出 |
---|---|---|---|
1 | 1979年4月10日 | 帰ってきたあいつ | 桜井秀雄 |
2 | 4月17日 | 花ざかり喧嘩ざかり | |
3 | 4月24日 | 独りの春はさびしくて | 阿部祐三 |
4 | 5月1日 | わがこころの町は | 桜井秀雄 |
5 | 5月8日 | 絶対に言えない! | 阿部祐三 |
6 | 5月15日 | 祭りばやしはドラ猫ロック | 桜井秀雄 |
7 | 5月22日 | 紀子先生! 眠れません | |
8 | 5月29日 | 泣くな兄ちゃん明日がある | 楠田泰之 |
9 | 6月5日 | まさか! あいつに・・・ | |
10 | 6月12日 | 北の海からコンニチハ | 桜井秀雄 |
11 | 6月19日 | 健さんにゾッコン | |
12 | 6月26日 | 遂に・・・ああ! | 楠田泰之 |
13 | 7月3日 | 兄ちゃんのお嫁さんは | |
14 | 7月10日 | やさしい野蛮人 | 桜井秀雄 |
15 | 7月17日 | かわいい妹に | |
16 | 7月24日 | あんた男でしょ! | 楠田泰之 |
17 | 7月31日 | ドジねぇ! あなたって | |
18 | 8月7日 | 紀子先生を下さい | 桜井秀雄 |
19 | 8月14日 | すばらしき休日 | |
20 | 8月21日 | 男心の裏の裏 | 楠田泰之 |
21 | 8月28日 | 紀子先生が大変だ | 桜井秀雄 |
22 | 9月4日 | 常さんガンバレ! | 楠田泰之 |
23 | 9月11日 | そのひとことが言えないの | 桜井秀雄 |
24 | 9月18日 | 婚約解消だッ! | |
25 | 9月25日 | 僕の欲しかったものは・・・ |
脚注
参考文献
- 毎日新聞、朝日新聞、読売新聞 各縮刷版
- 週刊TVガイド
- テレビドラマデータベース
TBS系 火曜20時台(1979年4月 - 1979年9月) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
男なら!
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男なら
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 06:11 UTC 版)
男なら(おとこなら)は、山口県萩市とその周辺で謡われる民謡で、山口県を代表する民謡の一つである[1]。萩市では古くからある歌や踊りのほか、「萩夏まつり」などでよさこい風にアレンジして踊ることもある。
楽曲の内容
幕末の長州藩では尊皇攘夷運動が高まり、それを受けて1863年(文久3年)には朝廷より攘夷令が出され、藩士の多くが外国船攻撃のために下関へ集結した。長州藩は関門海峡を通過する外国船に対し砲撃したが、翌1864年にはアメリカ・イギリス・フランス・オランダの四国連合艦隊からの報復攻撃により、萩では甚大な被害を受けた[1]。
そのため、萩で留守を守る藩士の妻や子供たちも外国船の報復攻撃に対抗するため、萩の日本海に面した菊ヶ浜沿いの海岸に土塁を築いた[1]。土塁築造には武士の妻や武家の奥女中の功績が多大であったことから、土塁は「女台場(おなごだいば)」と呼ばれるようになった[1]。その「女台場」築造工事に携わった長州藩士や奇兵隊をはじめとする諸隊士の妻などの女性たちが、作業中に士気を鼓舞するため謡っていたのが「男なら」である[1]。この「女台場」の遺構の一部は現在でも残っている。
女であっても武士の妻なら勇ましく国を守るときいう「萩女の心意気」を謡ったもので[1]、「男なら」の曲名と歌詞は、女性の立場から「もしも自分が男であったなら」という意味である。その点がのちに作られた軍歌「男なら」とは異なる。
山口県文書館によれば、「男なら」の歌詞にはいくつかのバリエーションと改変がある[2]。 歌詞の内容は、1番は「(もしも自分が)男なら、槍を担いで中間(ちゅうげん)として下関について行きたい。自分は女だが武士の妻だから、(外国の軍勢が萩に攻めてくるような)国の一大事と聞いたら(外国の軍勢を)追い出したい。神功皇后を手本として国を守る」というものである[2][3]。
正調「男なら」保存会による歌詞は4番まであり[2]、各番の最後には「オーシャーリシャーリ」(「おっしゃるとおり」の意味)という囃子が入る[2]。レコードなどでは歌手によっては2番[3]ないしは3番までしか歌わないこともある。
山口県文書館は歌詞のバリエーションとして、村田清風の孫にあたる村田峰次郎(1857年〈安政4年〉生)が記憶し自身の著書『防長近世史談』(1927年〈昭和2年〉刊)に記載した歌詞や、『山口県の民謡』に記載された福永キクエ(1909年〈明治42年〉生)伝承の歌詞を記録として例示している[2]。
地元でも一部の伝承者を除いて長らく忘れられていたが、1935年(昭和10年)10月、萩市助役の市川一郎の母タツ(当時88歳)が記憶していたとして突如復活し、時代の波に乗り[4]、1936年(昭和11年)に音丸のレコードがヒットして広く知られた。その後は赤坂小梅のレコードもヒットして、「炭坑節」などと同様に全国的な人気を呼んだ。日本と世界が戦争に突入していく1930年代の時代の空気の中で、「外国の軍勢から勇ましく国を守る」という心意気を謡ったこの歌が人々の記憶に甦り復活を遂げた。
土産菓子
萩市にはかつて、この民謡をモチーフとした饅頭「防長銘菓 男なら」があり、萩市の土産菓子の一つとなっていた[5]。黄身餡を饅頭皮の生地で包んだシンプルな饅頭だが、平たい饅頭の上部に毛利家の家紋である「一に三つ星紋」が象られているのが特徴であった[5]。製造していたのは萩地域を商圏とする地元企業の有限会社神戸屋ベーカリー[5][6]である。
有限会社神戸屋ベーカリーが製造販売していた土産菓子には他に、萩市の特産物である夏みかん[7]を使用した「夏みかんサブレ」や、一口大のバウムクーヘンの中にクリームを入れた「萩日記」があった。しかし神戸屋ベーカリーは経営悪化のため2012年8月に廃業してしまい、これらの菓子は現在作られていない。
なお、有限会社神戸屋ベーカリーは、大阪市に本社を置く製パン大手の株式会社神戸屋とは関係ない。
脚注
- ^ a b c d e f 萩民謡 男なら HAGI 萩市観光協会公式サイト、2022年10月23日閲覧。
- ^ a b c d e 幕末の歌 (1) ~「男なら」~ レキシノオト 「音」で読み解く防長の歴史 19号、山口県文書館
- ^ a b 男なら/長瀬和子 歌詞GET
- ^ 一坂、2013、p.144。
- ^ a b c 萩市観光協会 (2011年2月7日). “男なら”. 萩市観光協会公式ブログ「ぶらりブログ」. さくらのブログ. 2022年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月23日閲覧。
- ^ 有限会社神戸屋ベーカリー ぶらり萩あるき、萩市観光協会[リンク切れ]
- ^ 萩の夏みかん 萩市公式サイト、2009年7月28日更新、2022年10月23日閲覧。
参考文献
- 一坂太郎『司馬遼太郎が描かなかった幕末―松蔭・龍馬・晋作』p.144、集英社〈集英社新書〉、2013年。ISBN 978-4087207057
- 幕末の歌 (1) ~「男なら」~ レキシノオト 「音」で読み解く防長の歴史 19号、山口県文書館(正調「男なら」保存会の歌詞と解説を掲載)
関連項目
外部リンク
「男なら」の例文・使い方・用例・文例
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