田光のシデコブシ及び湿地植物群落とは? わかりやすく解説

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田光のシデコブシ及び湿地植物群落

名称: 田光のシデコブシ及び湿地植物群落
ふりがな たびかのしでこぶしおよびしっちしょくぶつぐんらく
種別 天然記念物
種別2:
都道府県 三重県
市区町村 三重郡菰野町
管理団体
指定年月日 2005.03.02(平成17.03.02)
指定基準 10,植12
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 指定対象地三重県北部菰野町北東部田光にある湧水涵養された湿地及びその周辺形成され植物群落である。鈴鹿山脈東麓福王扇状地東端、奄芸層群東海層群からなる台地下部位置する小さな谷で、谷の下部不透水層があり、谷斜面粗粒砂礫層から冷湧水湧出し、湿地形成している。
 東海地方三重県から愛知県岐阜県静岡県一部にかけての周伊勢湾地域丘陵地には、砂礫層が地表面形成し土壌発達悪く砂礫層からの湧水により成立した湿地点々分布している。このような場所には、周伊勢湾地域固有な、あるいは隔離分布を示す植物群が生育し東海丘陵要素植物呼ばれている。これらは、数百万年前新第三紀鮮新世から第四紀更新世初頭にかけてこの地域存在した東海湖周辺において、分化あるいは残存してきたと考えられている植物群で、その代表的なもの一つシデコブシである。シデコブシモクレン科属す落葉性小高木で、春先コブシより花弁多く淡いピンク色可憐な花を付ける。細長い花弁注連縄などの垂れ下がった四手(垂)に似ていることからシデコブシの名が付いたといわれている。このほか、東海丘陵要素植物としては、貧栄養湿地に主に生育するシラタマホシクサ、ヒメミミカキグサ、トウカイコモウセンゴケヘビノボラズ湿地周辺部水路脇に分布するシデコブシハナノキヒトツバタゴ、ナガボナツハゼ、ミカワバイケイソウなど十数種類知られており、いずれも限られた分布示し絶滅恐れある種挙げられているものも多い。
 指定対象地上流部にある楠根溜と呼ばれる溜め池から下方へ、谷に沿った100から200m長さ約700mの範囲で、標高は約80から90mである。この地域シデコブシ日本有数生育地として知られており、それ以外にも多く希少な植物生育している。湧水により涵養された湿地植物群落には、ヌマガヤ中心とした草本類繁茂しシラタマホシクサヘビノボラズなどの東海丘陵要素植物群、ミズギクイワショウブミカヅキグサなどの寒冷地植物モウセンゴケミミカキグサ類などの希少な植物生育している。斜面にはサクラバハンノキコナラ樹林形成し、谷沿いの林縁にはシデコブシとともに、ミカワバイケイソウなども生育している。
 これらの植物群落豊富な湧水存在により維持されてきたものである。しかし、かつては一部水田耕作が行われ、取りなどに利用されており、そのような人為的な干渉により良好な光環境維持されてきたことも、湿地植物群落維持にとって重要な要因であった思われる以前はこうした湿地生の植物群落がかなり広く見られたが、開発利用放棄等により、すでにその姿が失われているところも多い。
 当該地は、シデコブシはじめとする東海丘陵要素植物群及び湿地生の植物群落良好な形で保存されている地域として学術的価値高く天然記念物として指定し保護図ろうとするものである
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