源流から河口まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 17:45 UTC 版)
全長1,020kmあまりのチャンバル川はマディヤ・プラデーシュ州インドールから675kmほどにある海抜843mのヴィンディヤ層崖北面から発する。近くの町をマンダーヴ Mandavという。380km近くにわたり州内をほぼ真北にかけぬけると州境を越えてラージャスターン州内をおよそ250km進み、さらに215kmほどの区間はマディヤ・プラデーシュ州との境界、続いてウッタル・プラデーシュ州との境界として150km流下する。河口部はそのおよそ30km先のジャラウン(Jalaun)近郊にあり、海抜122mでヤムナー川と合流するとやがてはガンジス川の流れである。 源流からヤムナー川との合流点までチャンバル川の河床は海抜でおよそ730m低くなる。特に最上流部の30km圏では高低差が300mある。続く310kmほどでChaurasigarh 城に至ると海抜はさらに195m下がり、渓谷が川を迎える。コーターの町の近くではさらに90m低く、平坦なマールワラ平野からガンジス川流域まで平均勾配0.21m/kmでゆるやかに流れる。 雨水を集めるチャンバル川の流域は14万4591km2に広がり、右岸のパールバティ川と左岸のバナス川との合流点までを見ると、北緯22° 27' から同 27° 20'、東経73° 20' から 79° 15' のほぼ矩形の対角線を流れていく。その東西と南はヴィンディヤ山脈に、北西はアラーヴァリーの峰々に面する。パールバティ川とバナス川との合流部から下流では川幅がやや狭まり、南北をヴィンディヤとアラーヴァリーの山並みに挟まれて谷を刻む。 左岸に続く急峻なヴィンディヤの山塊にはほぼチャンバル川しか水系がない。ナルマダー川と出合うまでのおよそ16kmの区間では、切り立った川岸に中生代の地層が観察でき、より軟質な泥岩の河床には支流が分布する。三角形のヴィンディヤ盆地はチャンバル川と右岸のカリシンド川、パールバティ川が形成した沖積層が占め、下流のコーター近辺のトラフへと海抜にして200から270mほど下りていく。チャンバル川はやがて合流するヤムナー川あるいはそのさらに本川のガンジス川よりも古くから流れる川である。 支流に注目すると、右岸のシプラ川(英語版)、バナス川、パールバティ川、シープ川、左岸のメジ川 ほか17超の流れが見られる。 クロウフォード説によると、チャンバル川流域はヴィンディヤ造山活動の一部であり、古代の岩盤の上におそらくはカンブリア紀よりも前の分厚い砂岩の層と粘板岩、石灰岩層で構成されるという。 この川は谷を刻んで小丘と台地をあちこちに残し、流域にはいくつもの氾濫原、雨の削った小規模な渓谷や山峡が波打つように連なる。チャンバル川の上流寄りのメーワール平野南西部ラージャスターン州には旧ハドーティ地方の台地が位置し、東にはマールワ高原を望む。また構造地理学的には、主にヴィンディヤ断層崖とデカン溶岩台地(マールワ台地)に分類される。あるいはヘロン説を引くなら、東側の山麓緩斜面にはヴィンディヤ高原からアラーヴァリー高原まで、第四紀の薄い沈殿層、撹乱層、河川の搬送物が積み重なっている。侵食地形は少なくとも2層観察でき、いずれも第三紀に属する。更新世以降の地形はヴィンディヤ山脈の高原地方とチャンバル谷、さらにより古い沖積層のヒンドゥスターン平野に識別できる。また悪地の地形もチャンバル谷に特徴的であり、より時代が古い沖積層には、地積学でカンカーと呼ばれる炭酸カルシウムの沈着した砕屑物が大規模に形成される。
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