海洋細菌とは? わかりやすく解説

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かいよう‐さいきん〔カイヤウ‐〕【海洋細菌】

読み方:かいようさいきん

海中生息する細菌プランクトン死骸など有機物炭素窒素・燐などに分解するまた、自身原生動物などの餌となる。


海洋細菌 [Marine bacteria]

 海洋生息している細菌をいう。ただし、海水環境から分離される細菌全てではなく一般に海水から頻度高く分離され、2.8%の塩化ナトリウム(海水中の濃度)を含む培地でよく生育する細菌をいう。したがって、海洋細菌は弱好塩細菌であるが、この培地でも塩化ナトリウム含まれていない培地でも発育する細菌耐塩菌として区別されている。海洋には多種類の細菌生息しているが、海水中にはグラム陰性菌多くビブリオ属シュードモナス属エロモナス属アルテロモナス属フラボバクテリウム属サイトファーガ属フレキシバクター属などが優占的である。また、海底質(泥土)には比較グラム陽性菌多く連鎖球菌ブドウ球菌などが多く生息している。また、本来陸上河川生息している細菌環境の変化海水中に入ってそこに順応している場合もある。
 海洋細菌のほとんどが従属栄養性で、海洋動植物死体や溶存している有機物分解して炭素窒素硫黄リンなどの物質循環働き食物連鎖底辺支え重要な役割をもっている。この点は陸上細菌と同じであるが、その総量きわめて多い。また、海洋環境によって、生理的にかなり異なった細菌生息している。すなわち、寒帯極地海域には低温菌が、深海には好圧生息している。また、熱帯海域には色素をもった細菌多く、強い紫外線から身を守っていると考えられている。さらに栄養分極端に少な海域には低栄養生息している。ほとんどの海洋細菌は非病原菌動物腸内藻類表面共生している場合もあるが、増養殖盛んな沿岸の海域には魚介類藻類病原菌もかなり多い。これらの病原菌多く常在しているが、水産動植物生育環境変化生体異常をきたすと、感染発病させる条件性病原菌である。



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