鉄酸化細菌とは? わかりやすく解説

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鉄酸化細菌 [Iron oxidizing bacteria]

 鉄細菌ともいい、2価を3価の酸化して増殖する細菌をいう。ある種の鉄酸化細菌はマンガン化合物酸化して増殖する。鉄酸化細菌はグラム陰性菌であるが、無機物利用して生育する化学合成独立栄養性の細菌と、有機物利用できる従属栄養性備えた混合栄養性細菌があり、これらは3群に分けられている。
第1群は鞘をもった糸状細菌レプトスリックス属(Leptothrix)はその代表である。レプトスリックスはを含む無機培地でも、有機培地でも生育できる独立栄養従属栄養との混合栄養性である。第2群有柄細菌あるいは出芽細菌とよばれ、偏性化学独立栄養菌ガリオネラ属(Gallionella)が代表である。第3群は普通形態をもった化学合成独立栄養細菌で、シデロカプサ属(Siderocapsa)やチオバチルス属(Thiobacillus)がある。チオバチルス・フェロオキシダンス(Thiob.ferrooxidans)は硫黄酸化細菌でもある。そのほかに通常の従属栄養であるが2価酸化できる細菌もある。鉄酸化細菌は純粋培養成功していない菌種が多い。これらの細菌鉄分が多い湖沼深層水多く生息しマンガン沈積鉱床をつくる役割をもっていると考えられている。

鉄バクテリア

(鉄酸化細菌 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/20 01:35 UTC 版)

赤褐色の沈殿と油膜様の酸化鉄(箱根町立箱根湿生花園

鉄バクテリア(てつバクテリア)とは、化学合成生物の一種で、水溶性の二価のイオンや二価のマンガンイオンを酸化することによってエネルギーを得るバクテリアの総称[1][2]土壌微生物の一種。

概要

バクテリアは、三価になった鉄イオンにより水酸化鉄の殻を作る。これらはバクテリアの死と共に赤茶けた沈殿物となり堆積する。世界の大規模な褐鉄鉱による鉄鉱床は、長年にわたる鉄バクテリアの活動により生成されたものが多い。自然界に存在するレベルであればバクテリアも沈殿物も人畜無害である[2]

土壌中に普遍的に存在する。水田の取水口付近、コンクリート構造物の漏水箇所など、湧水量及び移動量が少ない場所で大量に繁殖し、サビ色のドロドロとした沈殿物を生成する。水面に鉄の薄い酸化被膜が浮くと自然光を屈折させて虹色に光り、これが油膜のように見えることから油の流出や投棄事故と誤解されることがある[2]

活用方法

鉄イオンやマンガンイオンを多く含む水は、俗に 金気 かなけが多い水とされ、味覚に違和感を与える。このため浄水場などでは除鉄のために鉄バクテリアが活用されている[2]

主な鉄バクテリア

出典

  1. ^ a b 水たまりに油膜??実は鉄の酸化被膜!!」(PDF)『衛環研ニュース』第25号、沖縄県衛生環境研究所、2013年2月。オリジナルの2018年8月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818052244/pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/news/documents/25page2.pdf2017年10月26日閲覧 
  2. ^ a b c d e トピックス 池の水面に油のようなものが浮いている”. 仙台市衛生研究所. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月8日閲覧。

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