流布本『太平記』の創作とは? わかりやすく解説

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流布本『太平記』の創作

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 04:30 UTC 版)

建武の新政」の記事における「流布本『太平記』の創作」の解説

建武政権時代ある程度混乱があったことは事実だが、それ以上軍記物語一種歴史小説)である流布本『太平記』の創作によって、誇張して伝わっている部分がある。 鎌倉時代武士の特権階級である御家人撤廃されて、武士はみな奴婢雑人のように扱われるようになってしまった(流布本12公家一統政道の事」)史実そもそも御家人制は鎌倉時代末期既に破綻しつつあった。また、後醍醐天皇武士好意抱いており、武士陪臣家臣(ここでは将軍)の家臣)から、天皇直臣昇格させて、武士の地位の向上を図る狙いもあった(→御家人制の撤廃)。 恩賞方設置して功績ある武士たちに恩賞配布し始めたのは、後醍醐天皇帰京し新政始めてから二ヶ月経った元弘3年1333年8月3日のことだった(流布本12公家一統政道の事」)。史実実際遅くとも7月19日には恩賞配布し始めているため(『集古文書』)、7月には既に恩賞方設置されていたと考えられる元弘の乱失脚した北条泰家領地は、そっくりそのまま後醍醐天皇皇子護良親王与えられるなど、身内優遇したために、武士与えられる場所がなくなってしまった(流布本12公家一統政道の事」)。史実:泰家から没収され領地多く新田氏庶流(だが新田氏派閥ではなく足利氏派閥)の岩松経家にも与えられており、功ある武士にも良質な地の恩賞配っている(『集古文書』)。 恩賞方長官一人で、「上卿と言い洞院実世実力不足から解任され次の万里小路藤房正道が行われない怒りから辞職し、さらに次の九条光経も後醍醐佞臣無道おろおろとするだけだった流布本12公家一統政道の事」)。史実初期恩賞方制度に関する文献残っていないため不明だが、翌年4番になったときには藤房恩賞方頭人トップ一人となっているため、彼が恩賞方政務離れたというのは史実矛盾する元弘3年1333年7月に「建武」に改元したところ、疫病流行り、さらに紫宸殿の上怪鳥現れたので、真弓広有8月17日夜に弓矢退治した流布本12広有怪鳥射る事」)。史実怪鳥現れたのが史実ではないのは無論のことだが、そもそも改元があったのは元弘4年1334年1月29日である。 側近万里小路藤房は、後醍醐天皇へのたびたびの諫言受け入れられなかったため、建武政権失望し元弘3年翌年1334年)の3月11日天皇八幡行幸同行した後、出家した流布本13藤房遁世の事」)。史実建武元年1334年10月5日日付半年違い(『公卿補任』)、しかも「俄遁世」(突然出家してしまった)とあるだけで、理由までは不明である(『尊卑分脈』)。人生絶頂期理由なく出家を願うようになった人物としては、他にも足利尊氏などがおり、この時代では珍しいものではない。 元弘の乱功績のあった足利高氏尊氏)を初めほとんど中央用いず中先代の乱発生してから、高氏尊氏)をおだてて出陣させるために、後醍醐天皇の諱の「尊」の字と、征東将軍地位与えた流布本13足利殿東国下向の事附時行滅亡の事」)。史実元弘の乱からの帰京同時に高氏尊氏)を鎮守府将軍任命して元弘の乱戦後処理と建武政権全軍指揮権任せ、二ヶ月後には「尊」の字を授与するなど、政権発足当初から名実両方破格厚遇与えている(→足利兄弟の重用)。 建武3年2月25日建武年号公家のために不吉だと批判噴出したために、延元改元された(流布本15主上山門より還幸の事」)。史実実際に改元があったのは2月29日で、しかも公家建武年号変えるのを渋っていた(#建武の元号)。

※この「流布本『太平記』の創作」の解説は、「建武の新政」の解説の一部です。
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