永田耕衣とは? わかりやすく解説

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永田耕衣

永田耕衣の俳句

あんぱんを落して見るや夏の土
いづかたも水行く途中春の暮
うつうつと最高を行く揚羽蝶
かたつむりつるめば肉の食ひ入るや
くつぬぎにもたせかけけり余り苗
しみじみと牛肉はあり寒雀
たつぷりと皆遠く在り夏の暮
ひろびろと母亡き春の暮つ方
まん中を刈りてさみしき芒かな
もう種でなくまつさおに貝割菜
カットグラス布に包まれ木箱の中
キリストを借景と為す秋の暮
コーヒー店永遠に在り秋の雨
バランスを以て肉あり受肉祭
人ごみに蝶の生まるる彼岸かな
冗談に空蟬個個に歩きけり
出歩けば即刻夢や秋の暮
厄介や紅梅の咲き満ちたるは
古池を触つて居れば眠りけり
吾が啖ひたる白桃の失せにけり
夏蜜柑いづこも遠く思はるる
夕凪や使はねば水流れ過ぐ
夜もすがら冱ててありけり父の筆
夢の世に葱を作りて寂しさよ
天心にして脇見せり春の雁
妄想の足袋百間を歩きけり
寂しくて道のつながる年のくれ
寒雀母死なしむること残る
寒鮒の死にてぞ臭く匂ひけり
寒鴉歩けば動く景色かな
少年や六十年後の春の如し
尿の出て身の存続す麦の秋
年とつて冷たき土堤に遊びけり
店の柿減らず老母に買ひたるに
後ろにも髪脱け落つる山河かな
恋猫の恋する猫で押し通す
我が頭穴にはあらずや落椿
或高さ以下を自由に黒揚羽
手を容れて冷たくしたり春の空
押入れに灯のさしこめり苗代時
新しき蛾を溺れしむ水の愛
日のさして今おろかなる寝釈迦かな
春の夜や土につこりと寂しけれ
晩年や夢を手込めの梨花一枝
晩年や左眼の涙を右眼容れ
晩年や空気で冷える夏の海
月の出や印南野に苗余るらし
月明の畝遊ばせてありしかな
朝顔や百たび訪はば母死なむ
枯草の大孤独居士ここに居る
 

永田耕衣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 01:46 UTC 版)

永田 耕衣(ながた こうい、1900年明治33年)2月21日[1] - 1997年平成9年)8月25日)は、俳人。本名は軍二(ぐんじ)[1]。別号、田荷軒主人。的思想に導かれた独自の俳句理念に基づき句作。また諸芸に通じ書画にも個性を発揮、90歳を超えた最晩年に至るまで旺盛な創作活動を行った。


  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 監修 加藤楸邨大谷篤蔵井本農一、編集 尾形仂草間時彦島津忠夫大岡信森川昭『俳文学大辞典』角川書店、1996年3月、630頁。 
  2. ^ 山本、456頁
  3. ^ 『現代俳句ハンドブック』 191頁
  4. ^ a b 『現代俳句ハンドブック』 65頁


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