島津忠夫とは? わかりやすく解説

島津忠夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 05:24 UTC 版)

島津 忠夫 しまづ ただお
人物情報
生誕 (1926-09-18) 1926年9月18日
日本
大阪府大阪市
死没 (2016-04-16) 2016年4月16日(89歳没)
日本
居住 兵庫県川西市
出身校 京都大学
学問
研究分野 国文学中世文学
研究機関 佐賀大学
愛知県立大学
大阪大学
武庫川女子大学
学位 文学博士
称号 大阪大学名誉教授
古今伝授の里フィールドミュージアム文学顧問
主要な作品 連歌史の研究』(1969年)
『連歌師宗祇』(1991年)
『和歌文学史の研究』(1997年)
学会 日本近世文学会
主な受賞歴 角川源義賞(1998年)
芭蕉祭文部大臣奨励賞(1992年)
現代短歌大賞(2008年)
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島津 忠夫(しまづ ただお、1926年9月18日 - 2016年4月16日[1][2] )は、日本の国文学者瑞宝中綬章受章。

経歴

出生から修学期

1926年、大阪府大阪市生まれ。住吉中学校大阪第一師範学校を経て、京都大学文学部に進学。1950年、同大学を卒業。

大学卒業後

卒業後は、市岡高校住吉高校で教諭を務め、その後、佐賀大学文理学部助教授に就いた。愛知県立大学助教授に転じ、後に教授に昇任。その後、大阪大学教授に就任。1978年、学位論文『連歌史の研究』を大阪大学に提出して文学博士の学位を取得[3]大阪大学を退任後は、名誉教授となった。その後は武庫川女子大学で教鞭をとった。

歌人として

自身も歌人として歌を詠み、歌誌『マグマ』、『日本歌人』に所属。現代歌人集会理事長も務めた。

栄典

受賞

  • 1998年:『和歌文学史の研究[和歌篇・短歌篇]』で第20回角川源義賞受賞。
  • 2008年:『島津忠夫著作集』ならびに過去の業績により第31回現代短歌大賞受賞。

研究内容・業績

専攻は中世文学。主に連歌俳諧和歌について研究を行った。主要著作は『島津忠夫著作集』(全16巻)にまとめられている。

島津忠夫文庫

2008年には郡上市大和町古今伝授の里フィールドミュージアム島津忠夫文庫が開設された[4]

著書

  • 連歌史の研究』(角川書店)1969年
  • 『連歌の研究』(角川書店)1973年
  • 『中世文学史論』(和泉書院)1979年
  • 『能と連歌』和泉書院 1990年
  • 『近代短歌一首又一首』(明治書院)1990年
  • 『連歌師宗祇』(岩波書店)1991年
  • 『日本文学史を読む 万葉から現代小説まで』世界思想社 1992年
  • 『現代短歌・内と外 島津忠夫評論集』(雁叢書・雁書館)1992年
  • 『戦後の関西歌舞伎 私の劇評ノートから』(和泉書院・上方文庫) 1997年
  • 『平家物語試論』汲古書院 1997年
  • 『和歌文学史の研究 和歌編』角川書店 1997年
  • 『歌集 心鋭かりき』(角川書店)1998年

著作集

  • 島津忠夫著作集』 和泉書院、2003年-2017年[5]
第1巻 文学史
第2巻 連歌
第3巻 連歌史
第4巻 心敬宗祇(2004年)
第5巻 連歌・俳諧 資料と研究
第6巻 天満宮連歌史(2005年)
第7-8巻 和歌史 上・下(2005年)
第9巻 近代短歌史(2006年)
第10巻 物語(2006年)
第11巻 芸能史(2007年)
第12巻 現代短歌論(2007年)
第13巻 作品 短歌・連歌・随想(2007年)
第14巻 国文学の世界(2008年)
第15巻 拾遺・索引(2009年)
別巻1 宗祇の顔(2011年)
別巻2 若山牧水ところどころ(2013年)
別巻3 『源氏物語』放談(2013年)
別巻4 老のくりごと(エッセイ集、2017年)

共編著

  • 『頭註 徒然草』飯田正一・山崎喜好監修 関書院(副読本双書) 1954年
  • 『古今新古今とその周辺』小沢正夫共編 大学堂書店 1972年
  • 『和歌史の構想』編著 和泉書院 1990年
  • 小倉百人一首 日本のこころ』櫟原聡共編著 京都書房 1992年
  • 東常縁井上宗雄共編 和泉書院 1994年
  • 新古今和歌集を学ぶ人のために』編 世界思想社 1996年
  • 『『とはずがたり』の諸問題』広田哲通、上条彰次共編 和泉書院 1996年
  • 『歌人中原勇夫の周辺 国文の碩学 門人たちが語り継ぐ「常歌」の世界』小嶋一郎共著 ひのくに短歌会(ひのくに叢書) 2012年
記念論集
  • 『日本文学史論 島津忠夫先生古稀記念論集』同・刊行会編、世界思想社 1997年

校注

  • 『雲玉和歌抄』衲叟馴窓編著、井上宗雄共編、古典文庫 1968年
  • 『百人一首』訳注 角川文庫 1969年/角川ソフィア文庫 1999年
  • 「ひとりごと」『古代中世芸術論 日本思想大系 23』校注、岩波書店 1973年
  • 宗長日記』校注、岩波文庫 1975年
  • 『中世評論集 歌論・連歌論 能楽論』(鑑賞日本古典文学 24) 福田秀一伊藤正義共編、角川書店 1976年
  • 『別本和漢兼作集と研究』日比野純三共編著、未刊国文資料刊行会 1976年
  • 『六家連歌抄』石川真弘共編 古典文庫 1976年
  • 『千句連歌集 1 文和千句・柴野千句・初瀬千句』共編、古典文庫 1978年
  • 『新潮日本古典集成 連歌集』校注 新潮社 1979年
  • 和泉流狂言選』野崎典子共編 和泉書院(和泉書院影印叢刊) 1980年
  • 『中世文学選』共編 和泉書院 1982年
  • 百人一首古注抄』上条彰次共編 和泉書院 1982年
  • 『無名野草』編 古典文庫 1990年
  • 『竹林抄 新日本古典文学大系 49』鶴崎裕雄・光田和伸・乾安代共校注、岩波書店 1991年
  • 後水尾天皇百人一首抄』田中隆裕共編 和泉書院(百人一首注釈書叢刊) 1994年 
  • 『竜吟明訣抄』多田義俊講述、谷沢而立輯録、田島智子共編 和泉書院 1996年 百人一首注釈書叢刊
  • 『百人一首註解』乾安代共編 和泉書院 1998年 百人一首注釈書叢刊

関連資料

  • 近本謙介「島津先生との思い出」『語文』107, 2017年doi.

脚注

  1. ^ 島津忠夫著作集以後の著述目録・補訂」『語文』第112号、大阪大学国語国文学会、2019年6月、57-75頁。  62頁を参照。
  2. ^ “【訃報】島津忠夫氏=大阪大名誉教授”. 読売新聞. (2016年5月6日). https://web.archive.org/web/20160507133200/http://www.yomiuri.co.jp/obit/20160506-OYT1T50036.html 2016年5月6日閲覧。 {{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  3. ^ CiNii(学位論文)
  4. ^ 施設概要”. 古今伝授の里 フィールドミュージアム. 2020年3月8日閲覧。
  5. ^ 「島津忠夫著作集以後の著述目録・補訂」




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