東常縁とは? わかりやすく解説

とう‐つねより【東常縁】

読み方:とうつねより

[1401〜1484ころ]室町中期歌人美濃国郡上(ぐじょう)の領主東野州(やしゅう)と称した法名、素伝。尭孝正徹に歌を学ぶ。古今集奥義をきわめ、弟子宗祇伝えたのが古今伝授初めとされる。著「東野州聞書」「東野州家集」など。


とう‐の‐つねより【東常縁】

読み方:とうのつねより

とうつねより


とうのつねより 【東常縁】

室町時代歌人下野守に任ぜられ、東野州とも。のちに出家して法号は素伝。正徹堯孝学んで古今集秘奥究め門人宗祇口伝したのが古今伝授初めという。著『東野州聞書』他。(一四〇一~八四頃)

東常縁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 06:43 UTC 版)

 
東 常縁
東常縁像
時代 室町時代中期 - 戦国時代初期
生誕 応永8年(1401年)?
死没 文明16年3月16日1484年4月20日)?
別名 六郎(通称)、素伝(号)、東野州、東常縁(とうのじょうえん)
戒名 徳性院殿釋素傳大居士
墓所 岐阜県郡上市大和町牧の木蛇寺・乗性寺遠藤家墓所内
官位 従五位下、左近将監下野
幕府 室町幕府奉公衆
主君 足利義政
氏族 東氏
父母 父:東益之、母:藤原氏
兄弟 氏数、安東氏世、常縁、宗祐 (僧)、南叟龍朔、正宗龍統
頼数、常和、胤氏、常庵龍崇
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東 常縁(とう つねより)は、室町時代中期から戦国時代初期の武将歌人。郡上東氏第9代[1]美濃篠脇城主。官職が下野守だったため一般には東野州(とうやしゅう)と称される。

生涯

武将で歌人でもあった東益之の五男。生年は不詳であるが、明応3年(1494年)に94歳であったとする文献から応永8年(1401年)生とする説や、寛正6年(1465年)に59歳であったとする文献から応永14年(1407年)生とする説がある[2]

当初は父益之とも交友のあった冷泉派の歌人正徹に学んだが、東家が代々二条派に属していたことも意識してか、宝徳2年(1450年)12月2日、正式に二条派尭孝の門弟になった[3]享徳2年(1453年)には左近将監に叙せられた。このころ関東享徳の乱が発生、康正元年(1455年)、常縁は幕府の命により下向、嫡流の千葉実胤自胤兄弟を支援し、11月14日の馬加の合戦では勝利を得た[4]

応仁元年(1467年)に始まった応仁の乱の際も関東に下向していたものと思われる。郡上の篠脇城には兄氏数がいたが、応仁2年(1468年)9月に美濃守護代斎藤妙椿に攻められて敗れ、東家に伝わる和漢書も失われた。妙椿と常縁は和歌を通じた知り合いであり、文明元年(1469年)2月には浜春利の仲介で常縁が妙椿に十首の歌を贈った。妙椿は篠脇城を返還、常縁は郡上に戻り、失われず残っていた東家伝来の『古今集』に奥書を加えた[5]文明3年(1471年)には正月28日から4月8日まで、宗祇に『古今集』の講釈を行った(古今伝授)。この年、大坪基清にも請われて『古今集』の講釈を行っている[6]。文明14年には藤原定家の家集『拾遺愚草』から58首を選び、加注して宗祇に与えた。常縁のその後は資料が乏しく、不明[7]

家集には『常縁集』、歌学書には『東野州聞書』がある。

関連書籍

関連項目

脚注

  1. ^ 中世の山城『篠脇城跡』試掘確認調査の成果について 郡上市教育委員会(2021年)2024年1月5日閲覧。
  2. ^ 島津 1994, p. 11.
  3. ^ 島津 1994, pp. 12–13.
  4. ^ 島津 1994, p. 15.
  5. ^ 島津 1994, pp. 17–18.
  6. ^ 島津 1994, p. 18.
  7. ^ 島津 1994, pp. 20–21.
  8. ^ 『日本の古典籍 その面白さ その尊さ』p305反町茂雄(八木書店、1984)

参考文献

  • 島津忠夫 著「東常縁の生涯と文事」、井上宗雄・島津忠夫 編『東常縁』和泉書院、1994年、11-24頁。ISBN 4-87088-696-0 



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