櫛笥隆望の蔵人頭就任を巡る逸話とは? わかりやすく解説

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櫛笥隆望の蔵人頭就任を巡る逸話

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 10:10 UTC 版)

櫛笥隆望」の記事における「櫛笥隆望の蔵人頭就任を巡る逸話」の解説

宝暦12年1762年)の元日朝廷一つ事件発生した蔵人頭頭中将)である松木宗済(後の宗美)が天皇大床子食事を取る大床子御膳の儀で蔵人頭が行配膳下膳両方ミス重ねて桃園天皇怒り買ってしまった。宗済はその後行われる予定小朝拝元日節会奉行でもあったが、その間行われた関白家(当時関白近衛内前)での拝礼の際にも衣装誤り指摘され着替え口実帰宅をして、そのまま所労」と称して全ての役目放棄して自宅に引き籠もってしまったのである。これを重く見た関白一条道香計らい従三位昇進させる代わりにそれを理由として蔵人頭辞めさせられ非参議となった1月28日松木宗済の蔵人頭辞任従三位叙位)に伴って後任希望者に申文提出蔵人天皇)が認められたが、これに応じたのが今城定興正親町公功中御門俊臣、そして櫛笥隆望の4人であった。ただし、中御門俊臣は神宮弁として伊勢神宮遷宮に関する儀式優先すべきとの判断から最終的に申文提出取りやめたため、実際に申文提出した3人による争いとなった当時朝廷人事制度では天皇申文見て蔵人関白以外の勅問衆(実質摂家独占している)に派遣して諮問行い、その回答を受け後で改め天皇関白勅問衆を集めて協議行い、その最終決定元に人事確定させることになっていた。今回今城定興は3人の中では一番上首(上位者であったが、先例における就任年齢問題視され次回以降候補とされた。今城定興31歳であった今城家には31歳以下で蔵人頭任命され先例がないことが問題にされたのであるまた、櫛笥隆望38歳櫛笥家では義父の隆兼が29歳蔵人頭任じられ養父の隆兼も42歳と遅いながら蔵人頭任じられているので先例として問題は無いが新家であることが不利とされた。前述今城定興年齢問題も元を辿れば、今城家櫛笥家同じく新家であったために全体的に就任年齢遅かったことが響いている。これに対して正親町公功はまだ19歳ではあったが、正親町家過去13名も蔵人頭輩出した旧家で、そのうち5名が19歳以下で任じられていることから最有力とみられ、更に前関白一条道香強く公功を推挙して、同じ摂家九条尚実武家伝奏姉小路公文にも公功の推挙働きかけていた。しかし、2月1日になって桃園天皇は隆望を蔵人頭任じた当時公家日記総合すると、桃園天皇初めのうちは公功を後任として考えていたが、関白近衛内前が隆望が近習小番として皆勤していることや年齢的に次の機会があるかどうか分からない説得したことで天皇判断変え九条姉小路も一番相応しいのは公功であるとしつつも、隆望の任命にも道理があるとして反対しなかった。現役関白発言力大きさもあるものの、宝暦事件による混乱の中で家柄天皇との関係で選ばれ蔵人頭松木宗済)が失態犯して失脚するという状況において、天皇含めた朝廷の上層部は家柄的にも先例的にも正親町公功の方が相応しいと誰もが認めつつも19歳の彼ではなく公家社会における経験長く勤勉な38歳の隆望が選択されのである

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