構造・動作面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 05:53 UTC 版)
ディーゼルエンジンには点火装置とスロットルバルブが不要であるため、構造が単純化でき、信頼性が高い。 ディーゼルエンジンは拡散燃焼の範囲であれば圧縮時の筒内が空気だけなので、過給してもプレイグニッション・ノッキングやデトネーションがない。スロットルバルブがないため、低速でも排気が多く、ターボチャージャーとの相性が良く、容積あたりの低出力を補うことができる。更に大型エンジンでは排気エネルギーを出力軸に、より多く回収するターボコンパウンドも可能。 ガソリンエンジンには点火時の火炎の伝播速度によりシリンダ直径に限界があるのに対し、ディーゼルエンジンには限界がないので大型化に適している。ガソリンエンジンでは、多気筒化で排気量を確保して高トルクを得るか、高回転化で出力を上げなければならないのに対し、ディーゼルエンジンでは気筒容積の拡大で可能となり、構造が単純化されフリクションロスも抑えられ、熱効率が高まる。大型エンジンほどディーゼルエンジンの利点が活きる。 ディーゼル燃料の引火点はガソリンに比べて80℃ほど高いため、爆発・火災事故に対する余裕が大きい。特に被弾することを前提とした軍用車両で、このメリットが大きい。軍用車両のエンジンは航空燃料のJP-8等と併用することも考慮され、ディーゼル化を進めている。ガスタービン燃料は軽油よりも上質油であるが、燃料を共有することで有事の兵站が合理化される。
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構造・動作面
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ディーゼルエンジンでは燃料噴射装置が点火装置と出力制御装置を兼ねるため高価になり、燃焼制御も難しい。燃料噴射系がエンジンコストの半分を占める。 高圧縮比であるため、吸排気系の脈動も大きく、こちらの振動や騒音も大きい。船舶用、コジェネレーション用では脈動を抑える為、アキュムレータを備えた物もある。 シリンダーヘッド、シリンダーブロック、ピストン、コネクティングロッド、クランクシャフトに高い強度と剛性が求められ重量が嵩む。 加減速や発進・停止を頻繁に求められる車両用途では、大トルク用の多段変速機が必要となる。副変速機込みで18段や24段にもなる変速機を手動で操作するのは、煩雑すぎて現実的でない。そのため、優秀な自動変速機が必要になり、更に重く、高コスト化する。 吸気管負圧を得にくいため、自動車において、ブレーキブースターを別の経路からとる必要がある。これもまた高コストの原因となる。 寒冷地では燃料中のパラフィンが析出して燃料フィルターで目詰まりする場合がある。寒冷地仕様になっていない温暖な地域の軽油を入れて寒冷地に移動して駐車していると、燃料が流れなくなって始動しなくなることが多い。 ディーゼルエンジンの容積あたりの低出力を過給、ターボチャージャー、ターボコンパウンドなどで補うと、点火装置の単純さというメリットが相殺され、高コストになる。 乗用車用ディーゼル機関では振動軽減のため小排気量ながら多気筒化する傾向があり、気筒容積の拡大で大型化できる利点を生かしにくく、高コストになる。
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