構造・作動機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 10:21 UTC 版)
AKM以来、AKシリーズでは低い発射レートによってフルオート射撃時の制御性を確保していた。しかし、その安定志向がたたって内務省スペツナズの隊員などから「レートが低すぎるため至近距離での銃撃戦で撃ち負ける可能性がある」との意見が上層部に寄せられた。また、AK-74から採用された5.45x39mm弾は、それまでの7.62x39mm弾と比べてストッピングパワーが大きく劣っており、敵を倒す場合には最低限でも2発を命中させる必要があった。そのため、次期主力小銃を選定するアバカン計画(英語版)に提出された3丁の候補には以下の特徴がみられた。 2点バースト射撃を搭載していること それまでの主力小銃より高いレートであること 高い耐久力は保持したままであること 以上の条件に当てはまるよう、コブロフ社はできる限り単純な機構で高レートでありながら制御しやすく、なおかつ安価で高い耐久性を実現させることに重点を置いた。 外見からも分かる通りAKシリーズの流れをくんでいるが、本銃にはカウンターウェイトを使用して反動を軽減する機構が採用されている。これは、ガスポートから拾い上げた燃焼ガスでピストン・ボルトキャリアーを後方へ動かし、同時にカウンターウェイトを前方へ動かすことで、ボルトの作動による反動や振動を打ち消すことができる。この機構を実現するために、従来のAKシリーズではガスポートの位置がハンドガードよりだいぶ前、シリンダーの先端についていたところを、本銃ではハンドガードの先端部分、シリンダーの中間にガスポートが存在する。シリンダーの内部では、ガスポートの後方にボルトキャリアーを押し戻すピストン、同じく前方にカウンターウェイトを押し出すピストンが収納されている。AEK-971においては、AK-74Mと比較して連射時の精度が15-20%向上した。 本銃はアバカン計画に提出されたものの採用されず、アルファ部隊など警察系特殊部隊に採用された。隊員からの評判はおおむね良好であった。
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