根本原理とイデオロギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 05:26 UTC 版)
雷十字党は、研究者によって様々に表現されている。例えば「急進右翼」「国粋活動主義」「ファシズム」など、特にファシズムと表現されることが多い。ファシズム研究で有名なロジャー・グリフィン(英語版)は、雷十字党のことを「小さくも本物のファシズム反対派」と評した。それは、彼らが統合国際主義と定義される彼らの政綱で、「革命的な(経済)問題の解決策を追い求めており、その解決策によって、ラトビアを新たな、協調組合主義的経済策を持つエリート層を主軸に据えた、権威主義国家へと変化させようとした」からであるという。グリフィンのファシズム定義を基にすると、「反ドイツ国家社会主義」と彼らを分類することは、2015年頃からすでに提唱されてきていることである。 党機関紙である「雷十字党」を除くと、雷十字党の根本原理を知ることができる情報源は、1933年に発行された「雷十字党-何だそれは。何を求めるのだ。どう動くのだ。(ラトビア語:Kas ir? Ko grib? Kā darbojas? Pērkonkrusts)」というパンフレットである。この小冊子は、党活動の政治的計画の概観だけでなく、党の完全なステータスも記載されていた。 彼らの持つスローガン「ラトビア人のためのラトビア - ラトビア人に職とパンを!(ラトビア語:Latviju latviešiem– latviešiem darbu un maizi!)」からも分かるが、雷十字党はラトビア人が、ラトビアの全ての政治、経済を支配することを望んだ。その例として、雷十字党は国内の少数民族に文化的自治権を付与する法案の成立を拒絶している。雷十字党がそのプロパガンダで標的にしていたのは、ラトビアの経済を支配していたと考えられていた少数民族(特にバルト・ドイツ人やラトビア系ユダヤ人など)や、当時の議会で汚職を指摘された政治家たちであった。以下は、雷十字党党首グスタフ・ツェルミンシュの著書「ラトビア人のラトビア」にある一節である。 「ラトビア人のラトビアに、少数民族問題など存在しないだろう。(略)これは、我々が自由主義的ブルジョワジーに対する国際的な偏見を完全に失くすことで、我々は、ある一つの真の目標-良きラトビア人国家-の追求者を妨げる歴史的、人道的、そしてその他の束縛からも放棄されるということだ。我等が神、我等の信条、生きる意味、ラトビア人国家という終着点。それらがもたらす繁栄に反対するような者は、全て我々の敵だ。(略)我々は、ラトビア人が唯一住みつける場所はラトビアであると思っている。他の民族は、みな自分の国を持っているのだ。(略)たった一言、ラトビア人のラトビアという一言だけがラトビア人にあることだろう。」 雷十字党は、キリスト教を海外からの悪影響の産物として拒絶し、代替としてディエヴトゥリーバを導入、キリスト教の拡大以前に信仰された宗教の復活を目指した。 彼らの田舎じみたイデオロギーに反して、雷十字党の支持者はリガのような都市部に集中しており、特にラトビア大学の生徒に集中していた。
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