問題の解決策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 16:19 UTC 版)
「接続 (微分幾何学)」の記事における「問題の解決策」の解説
上に現れた問題は、通常のベクトル解析の方向微分は、ベクトル場の成分へ適用すると、座標系の変換の下ではうまく振る舞わないという問題である。これは、実際にベクトル解析のような考え方が全く意味を持たないとすると、ベクトル場の平行な変換をどのように記述するかは非常に困難な問題となるということである。この問題の解決には、2つの基本的に異なった方法がある。 第一のアプローチは、方向微分を一般化して座標変換の下で「うまく振る舞わせる」には何が必要かを試すことである。このアプローチは接続に共変微分という戦術を使うことである。うまく振る舞うことは、共変性に同じである。ここで、線型作用素の成分はクリストッフェル記号と呼ばれる、ベクトル場自体の上の微分を意味しないある線型作用素による方向微分の変形を考える。座標系 φ での方向 u のベクトル v 成分の方向微分 Duv は、共変微分 ∇ u v = D u v + Γ ( ϕ ) { u , v } {\displaystyle \nabla _{\mathbf {u} }{\mathbf {v} }=D_{\mathbf {u} }{\mathbf {v} }+\Gamma (\phi )\{{\mathbf {u} },{\mathbf {v} }\}} により置き換えることができる。ここに Γ は座標系 φ に依存し、u と v について双線型である。特に、Γ は u あるいは v のいかなるをものも含んではいない。 この方法では、Γ は異なる座標系へ φ が変更されたときにも、所定の方法で変換される必要がある。この変換は、座標変換の一階の微分だけでなく二階の微分も含んでいないので、テンソルではない。Γ の変換法則を特定するだけでは、Γ を一意的に決定するには充分ではない。他にも正規化条件を導入する必要があり、導入すべき正規化条件は、通常は考えている幾何学のタイプに依存する。リーマン幾何学の場合は、レヴィ・チヴィタ接続を導入すると、(ある対称性条件と同様に)リーマン計量と整合性を持つクリストッフェル記号が必要となる。これらの正規化を行うと、接続は一意に定義される。 第二のアプローチは、空間の対称性の痕跡を捉えようとするリー群を使うアプローチである。これが、カルタン接続(英語版)のアプローチである。上記の球面上のベクトルの平行移動を特定する回転を使った例は、これに非常に良く似ている。
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