計量テンソル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/09 22:33 UTC 版)
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リーマン幾何学において計量テンソル(けいりょうテンソル、英: metric tensor)は、空間の局所ごとの構造を表す階数(rank)2のテンソル。
解説
距離と角度の定義を与える。多様体が与えられたとき、多様体の接空間で、滑らかに変化する非負の計量テンソルが得られるときにその多様体をリーマン多様体と呼ぶ。そのため、計量テンソルは、リーマン計量(Riemannian metric)とも呼ばれる。
ひとたびある座標系 xi が選ばれると、計量テンソルは行列で表される。通常、文字 G があてがわれ、各成分は gij とされる。Gは、ユークリッド空間のように平らな領域では単位行列となる。
以下では、添え字の和に関してアインシュタインの縮約記法に従う。
時刻t1 から t2 までの曲線の長さは、t をパラメータとして、
リーマン計量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 15:08 UTC 版)
詳細は「計量テンソル」を参照 M を n 次元可微分多様体とする。M 上のリーマン計量とは次のような(正定値)内積 g p : T p M × T p M ⟶ R , p ∈ M {\displaystyle g_{p}\colon T_{p}M\times T_{p}M\longrightarrow \mathbf {R} ,\qquad p\in M} の族である。M 上のすべての可微分ベクトル場 X, Y に対して、 p ↦ g p ( X ( p ) , Y ( p ) ) {\displaystyle p\mapsto g_{p}(X(p),Y(p))} は滑らかな関数 M → R を定義する。 言い換えると、リーマン計量 g は正定値(すなわちすべての接ベクトル X ≠ 0 に対して g(X, X) > 0 である)対称 (0, 2)-テンソルである。 n 個の実数値関数 x1,x2, ..., xn によって与えられる、多様体 M 上の局所座標(英語版)系において、ベクトル場 { ∂ ∂ x 1 , … , ∂ ∂ x n } {\displaystyle \left\{{\frac {\partial }{\partial x^{1}}},\dotsc ,{\frac {\partial }{\partial x^{n}}}\right\}} は M の各点において接ベクトルの基底を与える。この座標系に関して、計量テンソルの成分は、各点 p において、 g i j ( p ) := g p ( ( ∂ ∂ x i ) p , ( ∂ ∂ x j ) p ) . {\displaystyle g_{ij}(p):=g_{p}{\Biggl (}\left({\frac {\partial }{\partial x^{i}}}\right)_{p},\left({\frac {\partial }{\partial x^{j}}}\right)_{p}{\Biggr )}.} 同じことだが、計量テンソルは余接束の双対基底 {dx1, …, dxn} のことばで次のように書くことができる。 g = ∑ i , j g i j d x i ⊗ d x j . {\displaystyle g=\sum _{i,j}g_{ij}\mathrm {d} x^{i}\otimes \mathrm {d} x^{j}.} この計量が与えられた多様体 (M, g) がリーマン多様体 (Riemannian manifold) である。
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