距離空間としてのリーマン多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 15:08 UTC 版)
「リーマン多様体」の記事における「距離空間としてのリーマン多様体」の解説
リーマン多様体は距離空間と見ることができる。連続かつ微分可能な曲線γ: [a, b] → M がリーマン多様体 M 上で与えられるとき、この曲線の長さ L(γ) は次のように表される。 L ( γ ) = ∫ a b ‖ γ ′ ( t ) ‖ d t . {\displaystyle L(\gamma )=\int _{a}^{b}\|\gamma '(t)\|\,\mathrm {d} t.} この定義において、全ての連結リーマン多様体 M は距離空間となり、点xおよび点yとの距離 d (x, y) は d (x,y) = inf { L(γ) : γ は x と y を結ぶ連続的に微分可能な曲線 } と与えられる。リーマン多様体上では、異なる2点 x と y を結ぶ線は多くの場合「曲線」であるわけだが、局所的に見て、最短距離で点と点を結んでいるという点においては「直線」であると考えることもできる。多様体がコンパクトであるという前提をおくと、任意の2点 x および y について長さ d (x, y) の接続を考えることができる。もしコンパクト性がない場合には、最短距離が決まらない可能性があり、これは真ではない。 なお、リーマン計量 g が正定値の場合には、これにより定まる内積が距離を与えることは明らかである。g が正定値ではないが非退化 (行列でいうところの正則行列) であるならば、この計量を擬リーマン計量とよぶ。この擬リーマン計量は相対性理論において用いられるミンコフスキー空間をなすための重要な考え方である。
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