映画版での描写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 17:23 UTC 版)
『リング』シリーズを映画化した作品はすべてホラー映画として作られており、貞子は原作よりもさらに怪物的に描かれている。原作にはない設定・エピソードとしては、『リング』では、志津子の公開実験の際に記者を変死させており、さらに呪いのビデオを見て1週間の期限が来た者の前に直接出現し、長髪を振り乱し狂った目を剥いて襲ってくる化け物(素顔は不明)といった演出で描かれていた。ビデオを見た直後には井戸のあるペンションでのみビデオのリール音のような音の正体不明の無言電話がかかってくる。呪いのビデオを見た人間の前に貞子は時折姿を見せる。見た人間の写真は顔が歪んで写る。高山竜司の超能力で山村敬の記憶を読み取った志津子の公開実験を見た浅川玲子の腕を子供時代の貞子が掴み痣を残した。呪いのビデオの死因にリングウィルスは関係せず、ただの呪いとして描写。映画では、長尾城太郎は登場せず、貞子を殺害するのは父親の伊熊平八郎の役割となっている。また、原作では端役であった山村敬が金儲けのために志津子を利用する間接的な元凶として描写される。 『リング2』では井戸の中で30年近く生きていたという設定が加わっている。また、遺骨の頭蓋骨を粘土で復元した顔(山村敬曰く、不気味な顔。写真を撮る際、フラッシュで別の表情に変貌したりする。)で登場する。前作でも断片的に語られた呪殺した人間の姿(大石智子や沢口香苗など)を借りる能力もある。高山竜司は高野舞や浅川陽一を助ける守護霊的存在として登場する。ビデオを見てなくても貞子の姿を見た者(倉橋雅美)や、死を免れた浅川陽一はテレビを極端に恐れ貞子の超能力が乗り移ったかのような描写(心霊写真に写る白布の男・急に上がる水の浸透率・テレビに突如映る井戸から現れる貞子の映像など)を見せ、川尻医師の実験でビデオテープに念写による録画をすると呪いのビデオが再生される。また、高野舞や浅川陽一など関係者の前には時折姿を見せる。同じ映像を繰り返し反復させる能力も持つ。山村家所有のプールをあの世(地獄)に変え、落ちた者を井戸に引きずりこもうとする。 『リング0 バースデイ』では、原作では父親である伊熊平八郎が、自分は貞子の父親ではないと語り、海から現れた異形の怪物がそれであるかのように映画では描かれた。また幼少時に貞子は2人に分裂し、一方は志津子に似た普通の子供で、もう一方は本物の父親に似た化け物じみた邪悪な存在であったため、伊熊は後者を隔離し薬漬けにして成長を止め、自分の家の2階に幽閉したといったエピソードが加わっている。人間の貞子も治癒能力や不確定な予知能力・霊能力などの超能力を持つ。化物の貞子に呪殺される前触れとして犠牲者が朽ちた家や井戸の夢を見る描写がある。人間の貞子が「劇団飛翔」の団員達にリンチを受け殺害された後、化物の貞子と融合し復活後、恋人の遠山博を含む団員達を殺害した。 『らせん』では『リング』と異なる恐怖の存在であり、素顔を見せ、淫靡で蠱惑的な魔性の女として描かれている。性行為の際、相手の男性の顎を舐める癖がある。復活時には受胎した高野舞の姿で復活する。高山竜司と結託している点は同様。こちらでも超能力などを使える描写がある。安藤孝則・高山竜司を出産するが、もとが半陰陽者(睾丸性女性化症候群)ではないため、どのような身体のメカニズムかは不明。また、呪いのビデオを見るのが高野舞ではなく安藤満男となっており、彼との肉体関係を介して舞がリングウィルスに感染する手順となっている。呪いのビデオを見たり派生メディアに関連した者が井戸の夢を見るようになる。原作のリングウィルスや自己増殖の設定もアレンジされ存在する。両作共通して井戸が欠けているが、先にそういう描写に設定したのが『らせん』である。
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