映像内容の疑問点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/18 21:40 UTC 版)
「宇宙人解剖フィルム」の記事における「映像内容の疑問点」の解説
解剖学者や医療関係者からさまざまなおかしな点が指摘されている。異星人の解剖という科学的に無二の貴重な機会を、何週間もかけるのでなく2時間で終わらせるのはおかしい。体の中から取り出された内臓や脳らしきものが結合組織によって保持されていたように見えない。ヒトと似た外的器官を持つのに、体腔の中は構造的でない不定形の塊で、非現実的である。病理学者や外科医はハサミを使用する際、穴に中指を通すのに、映像の人は人差し指を通している。異星人の毒ガス、微生物から身を守るためと思われる防護フードを被っているのに、新鮮な空気を送るポンプとホースがない。 特殊効果アーティストたちの多くは「死体」は特殊効果のダミーであると信じている。イギリスの特殊効果専門家クリフ・ウォーレスCliff Wallaceによると、死体の姿勢がおかしく、直立姿勢でとられたキャストに感じる。あるシーンで腕に鋳型の継ぎ目ラインらしいものが見える。ハリウッドの特殊効果専門家トレイ・ストークスによると、死体は軽く「ゴムのよう」であり、肩と上腕がテーブル面から浮いている。ストークスは「異星人の作り方」と題する記事も発表した。トレイ・ストークスらの調査によると、18人の著名な生物特殊効果アーティストらに異星人解剖フィルムについての意見を調べた結果、18人全員が偽物であるという意見だった。また、異星人解剖フィルムが公開された後、特殊効果で実現できることを証明する目的で、いくつもの「本物」よりリアルな異星人解剖フィルムが制作された。 異星人解剖フィルムの死体はロズウェルUFO事件の異星人と外見が異なる。ロズウェルUFO事件の目撃者たちの話す異星人は、もっと背が低く、もっと眼は大きく、耳はなく、手足の指は親指を欠いた四本指である(六本指ではない)。残骸フッテイジに映るIビームも、ロズウェルUFO事件の一目撃者が叙述したものとかなり異なる上に、断面が強度を高めるI字鋼の構造をしておらず、さらに刻印された「ヒエログラフ」は"VIDEO O TV"という文字列を装飾したものにしか見えない。また、サンティリはハリー・S・トルーマン大統領が死体解剖の一つに付き添っている姿が映るフィルムがあると主張したが、その時期トルーマンはニューメキシコ州にはいなかった。 異星人解剖フィルムと、TF1へ提供されたボックスラベルの写真コピーを三人の元従軍カメラマンに見せたところ、多数の矛盾が指摘された。カメラマンはワシントンD.C.に配置され1947年6月1日にロズウェルへ飛んだと主張するが、当時全ての州に極秘情報保安の認定を受けたカメラマンがいた。当局が全てのリールを回収しなかったためにフィルムが残ったと主張されるが、極秘計画ではフィルムは厳密に管理されていた。当時、重要な医療処置の撮影は16mmカラーフィルムが使われ、机に隣接するライザーと天井からの二台の固定カメラが用いられた。撮影は常に、動画カメラマンと静止写真家の二人一組で行われた。撮影方法が軍の標準化された手順と手法にのっとっていない。ボックスラベルに書かれたフィルムと、カメラマンと主張される人が言うカメラを使えば焦点は良く合うはずであり、解剖フィルムは「わざとぼかされてどの物体も詳しく見えないようになっている」。フィルムボックスのラベルについても、元従軍カメラマンは三人ともシールに押印されたラベルは見たことがなく、ラベルに書かれている内容も不必要に解像度を下げる手順を示していた。さらに、ラベルの文章はヨーロッパスタイルの筆跡であった。 壁電話について、1956年まで導入されていなかったタイプの電話であると指摘されたことがあったが、後に1946~1947年に導入されたタイプの電話であることが明らかになった。
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