映像信号の生成と再生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/05 09:11 UTC 版)
「ラスタースキャン」も参照 映画により、静止画を高速に次々と提示すれば、仮現運動により映像(動画)が認知されることは既知であった。従ってテレビの実現に必要なのは、静止画を撮影し、信号に換え、伝送し、信号から静止画を再生する、というプロセスの高速な繰り返しである。 以下では説明を簡単にするため、カラー化、デジタル化、最近の液晶ディスプレイなどには極力触れない。 まず、ビデオカメラにおいて、レンズを用いて撮像管あるいは固体撮像素子の受光面に被写体の像を結像する。 次に、ラスタースキャンにより、受光面を左から右へ、次いで上から下へ順次走査しながら各点の照度を取り出し、明暗を信号電圧の高低に変換する。この信号を輝度信号という。走査によって2次元の静止画を1次元の信号に変換したわけである。走査する点が走る線を走査線と言う。 このとき同時に、ラスタースキャンによって読み取っている位置を示す信号も生成する。これを同期信号という。水平方向についての同期信号を水平同期信号、垂直方向についての同期信号を垂直同期信号という。 以上はアナログの場合である。デジタルの場合は、輝度信号をA/D変換する。デジタル化すると、区切りさえわかれば順番に並べていけば元の位置が復元されるため、同期信号はアナログと違ったものになる。 以上のように、映像信号は複数個の信号を同期して扱う必要がある。これ(カラーの場合は色信号なども)を重畳してまとめたものをコンポジット映像信号と言う。これに対しバラバラの信号をコンポーネント映像信号と言う。 アナログテレビ放送では、コンポジット映像信号をVSB方式で電波に乗せて放送する。 テレビ受像機では、以上のようにして作られた電波を受信、復調し、コンポジット映像信号をそれぞれの信号に分離する。水平垂直のそれぞれの同期信号に従って同期を取って(水平方向の同期を水平同期、垂直方向の同期を垂直同期という)、輝度信号に従いブラウン管の電子銃の出力を調節し輝点の輝度を変えながら、ブラウン管の蛍光面をラスタースキャンする。受像側でも走査による線を走査線と言う。 以上で映像の撮影から再生(受像)までが完了する。
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