旅の宿_(よしだたくろうの曲)とは? わかりやすく解説

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旅の宿 (よしだたくろうの曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/20 10:52 UTC 版)

吉田拓郎 > 吉田拓郎の作品一覧 > 旅の宿 (よしだたくろうの曲)
「旅の宿」
よしだたくろうシングル
初出アルバム『元気です。
B面 おやじの唄
リリース
規格 シングル・レコード / SOLA 33-OD
ジャンル フォークソング[1]
時間
レーベル Odyssey/CBS Sony
作詞 岡本おさみ
作曲 吉田拓郎
チャート最高順位
  • 週間1位:5週連続オリコン[2]
  • 登場回数30回(オリコン)
  • 売上70.0万枚(オリコン)
  • 1972年度年間4位(オリコン)
よしだたくろう シングル 年表
結婚しようよ
(1972年)
旅の宿
(1972年)
おきざりにした悲しみは
(1972年)
元気です。 収録曲
また会おう
(12)
旅の宿
(13)
祭りのあと
(14)
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旅の宿」(たびのやど)は、よしだたくろう(現・吉田拓郎)の5枚目のシングル1972年7月1日発売。発売元はOdyssey/CBS Sony

背景

拓郎がライブで初披露したのは、1972年4月22日に日本武道館で行われた「フォーク・オールスター夢の競演 音搦大歌合」[3]。同イベントは日本武道館で行われた初めてのフォーク・コンサートで[3]、出演は拓郎+の他、五つの赤い風船遠藤賢司岡林信康加川良かまやつひろし井上堯之ガロ高田渡武蔵野タンポポ団はっぴいえんど三上寛山下洋輔トリオ六文銭[3]。当時拓郎はこの3カ月前にリリースした「結婚しようよ」が大ヒット中で、こうしたジョイントコンサートでは会場に“帰れコール”が鳴り響くのが常で[3]、「浴衣のきみは尾花の簪」と歌った途端、「それがどうした!」「だから何なんだ!」などと会場から怒声が発せられ、終始殺伐なステージが展開された[3]。この3カ月後にリリースされたアルバム元気です。』に内包されたライナーノーツに書かれた拓郎直筆の文章はこれらに対する拓郎のアンサーである[3]

音楽性

フォークソングの王道の曲調であり、歌詞の内容はタイトル通り旅先の宿での恋人同士の出来事が描かれており、岡本おさみが夫人との新婚旅行で青森県十和田市蔦温泉に宿泊した際に曲想を得たと言われている[4][5]

記録

前作「結婚しようよ」がオリコンシングルチャートで3位を記録し、拓郎のシングルとしては唯一オリコンチャート1位を記録したシングルで[注釈 1]、代表曲であると共に、自身最大のシングル・セールスを記録した楽曲である。売上げ70万枚は1978年10月時点のオリコン調べでフォークソングシングルとして歴代10位[1]

アルバム元気です。』にも収録されシングルとともに大ヒットとなったが、こちらに収録されたものはほぼ全編アコースティックギターとハーモニカのみで構成されたアルバムバージョンである。ブルボンから発売された食玩CDJ'sポップスの巨人たち フォーク/ニューミュージック黄金時代編』にも吉田拓郎の代表曲として「結婚しようよ」と共に収録されている。

評価

拓郎の友人でもあったなかにし礼は、拓郎がプロデュースした「時には娼婦のように」で、拓郎から「これは演歌じゃないの」と言われた恨みから[6]、「吉田拓郎がニューミュージックを代表するシンガーソングライターであることは間違いないが、『旅の宿』こそわれわれの曲よりよほど演歌スタイルではないかと思う。拓郎の歌は、詩も音もとくに新しいとは言えないし、現代を鋭くえぐるというものでもない。彼の個性は若者らしからぬ人生肯定的な"あたたかさ"にあり、それが歌謡曲の歴史の中に極めて自然に収まる作品を生んだということだろう」などと論じている[6]

エピソード

1997年10月25日に放送された『LOVE LOVE あいしてる』に上岡龍太郎がゲスト出演した際、「自分は作詞家を目指していたが、シンガーソングライターがこんな素晴らしい詩を書けるならば自分は作詞家にはなれない」と、この曲を聴いて作詞家を挫折した旨の発言をしているが[7]、先述のとおり「旅の宿」の作詞は拓郎ではなく岡本おさみによるもの。

収録曲

Side:A

  1. 旅の宿(2分50秒)
    作詞:岡本おさみ

Side:B

  1. おやじの唄(4分22秒)
    作詞:吉田拓郎

カバー

脚注

注釈

  1. ^ なお、提供楽曲では1975年にかまやつひろし『我が良き友よ』・1998年KinKi Kids全部だきしめて/青の時代』、プロデュースシングルでは2000年にKinKi Kids『好きになってく 愛してく/KinKiのやる気まんまんソング』でオリコンチャート1位を記録している

出典

  1. ^ a b 「保存版フォークソング大百科 【フォークをナイフで!?斬る】 名鑑 フォーク・シンガー32 フォーク・ソング・レコード売れゆきベスト10 昭和43年より現在までのシングル盤レコード(オリジナル・コンフィデンス調べ) 10位 よしだたくろう 旅の宿 70万枚」『セブンティーン』1978年10月号、集英社、8頁。 
  2. ^ 『オリコン・シングル・チャートブック(完全版):1968 - 2010』オリコン・エンタテインメント、2012年2月、367頁。ISBN 978-4-87131-088-8
  3. ^ a b c d e f 金澤信幸「日本武道館(千代田区北の丸公園) フォークの旗手は岡林から拓郎へ 1972年4月22日「音搦大歌合」」『フォークソングの東京・聖地巡礼 1968-1985』講談社、2018年、57–61頁。ISBN 978-4-06-220700-3 
  4. ^ ぬくもり残る66号室 読売新聞青森県版『ふるさと歌めぐり』 2010年5月3日閲覧
  5. ^ 東北 : 記者の旅 : 新おとな総研 : 森と渓流に生命の息吹…十和田
  6. ^ a b なかにし礼歌謡曲から「昭和」を読むNHK出版NHK出版新書 366〉、2011年、157-164頁。ISBN 978-4-14-088366-2https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000883662011.html 
  7. ^ トーク 特別編集版 - 【LOVE LOVE あいしてる:トーク】1997年10月25日
  8. ^ さだまさし、カバーアルバムで伝えるフォークソングの普遍性 時代を超えて今に響くメッセージの本質”. 音楽リアルサウンド (2021年10月27日). 2021年11月22日閲覧。

関連項目


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