新津鉄道資料館活性化計画
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「新潟市新津鉄道資料館」の記事における「新津鉄道資料館活性化計画」の解説
しかし鉄道関連の展示施設でありながら、最寄りの新津駅などが所在する新津地区中心部からは直線で約2 km、徒歩20分強とやや離れており、新津駅からの路線バスも運行本数が少ないなど、公共交通によるアクセスも良好とはいえない立地条件下にあるのに加え、当時の展示内容は鉄道関連の機器に関するものが中心で、鉄道の文化に関する展示が乏しく、また移転以降は長らく静態保存車両を保有していないなど、より充実した展示内容への転換が必要とされていた。こうした事情から2011年(平成23年)夏、新津地区の経済界を中心に、鉄道資料館の新津駅近隣への移転を求める動きが起こった。 また、施設を運営する新潟市も同年から鉄道資料館のあり方について検討作業に着手し、翌2012年(平成24年)夏に「新津鉄道資料館活性化検討委員会」を発足させ、「交流人口の拡大と地域の活性化」「鉄道文化の発信拠点」「人づくりと地域の連携による事業の展開」の3つのミッションを制定し、現状の分析を踏まえて「新潟・新津と鉄道との関わり」など、より地域性が高く且つ親しみやすい展示内容への転換や、新津駅周辺にサテライト施設を設けるなどの施策について検討が進められた。 そして施設活性化策の一環として、新潟県に深い関わりを持つ鉄道車両の実車2両の展示が盛り込まれ、東北新幹線と上越新幹線が1982年(昭和57年)に開業して以来運行を続け、2013年(平成25年)春に運行を終了した新幹線200系電車の搬入が計画された。新潟市は運行終了後に東区寺山の新潟新幹線車両センターに留置されていたオリジナル塗色のK47編成の先頭車両(東京方1号車:221-1510)をJR東日本から譲り受け、5月26日昼から搬出を開始し、同日深夜から5月27日朝にかけて資料館へ輸送・搬入された。さらに現役時代、長らく新津機関区(現在の新津運輸区の前身)に配属され、退役後は中央区女池南の鳥屋野交通公園で保存されていたC57形蒸気機関車19号機の車体を予め3分割した上で、6月18日から6月19日未明にかけて輸送・搬入し、200系電車と並列して屋外展示スペースに保存され、6月22日から2日間開催された特別公開イベントで一般公開を実施し、その後は上屋新設等のため2両の公開を一旦休止した。 さらに、館内の全面改修及び展示内容の見直しなどのため9月1日から一時全面閉館して工事を実施し、2014年(平成26年)4月19日のプレオープンを以って本館1階の常設展示室と屋外展示スペースに限り公開を再開し、所蔵資料のうち約1,000点が公開された。そして同年7月19日のグランドオープンを以って、本館2階に新設された企画展示室と、休憩スペースを兼ねるパノラマ展示室の公開、さらに講演・講習会や企画展示などに活用できる多目的スペースの供用を開始し、全館の営業を再開した。この全面改修に際し、鉄道資料館が所在する資料棟の壁面は200系電車を模したカラーリングとなった。 また新津駅周辺のサテライト施設として2013年(平成25年)6月8日、同駅東口傍に「新津駅中サテライト」が開設された。資料館の所蔵品の一部を展示するのをはじめ、レンタサイクルの貸し出しやアクセス方法の案内などで資料館本館への来館者誘導を図る他、秋葉区の観光案内のパンフレットを揃えるなど区内の観光拠点としての役割を有している。なお駅中サテライトは無料で見学できる。サテライト開設に伴い、市と秋葉区では同年夏に愛称の一般公募を実施。選考の結果、同年秋に愛称「ていしゃば」が命名された。
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