政治との関係性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 16:07 UTC 版)
韓国ではしばしば音楽に政治が持ち込まれ、政治とは切り離せない存在となっている。芸能人にも『愛国心のある優等生』として振る舞うことが求められる。女性アイドルグループmiss Aのスジや、男性グループHIGHLIGHTのヤン・ヨソプなどのように従軍慰安婦を支援するための商品を使ったアーティストは「愛国ティナー」と称賛され、女性アイドルグループ少女時代のサニーが韓国独立運動の記念日である3月1日に『歴史を忘れてしまった民族には未来がない』というメッセージを出したことがある。中でも防弾少年団(以下、BTS)は、世界に向けて国家として「韓流」を積極的に後押ししている韓国の歴代大統領のお気に入りであり、国賓としてフランスに出向いた朴槿恵大統領(第18代)や文在寅大統領(第19代)がそれぞれ現地で彼らの公演を観覧し、終演後には抱擁を交わしてメンバーとの親しさをアピール。BTSがビルボード1位を取った際には文化勲章が贈られ、文在寅大統領は「Congratulations to the Seven Music-loving Boys and Their Wings, 'ARMY'! The songs, dance, dreams and enthusiasm of BTS energized to young people around the world.(音楽好きな7人の少年と彼らの翼であるARMY(「ARMY」はファンの総称)、おめでとうございます! BTSの歌、ダンス、夢、熱意は世界中の若者を活気づけ、力を与えました」とのコメントを寄せている。 その一方で、女性アイドルグループKARAのメンバーは記者会見でマスコミから「竹島はどこの領土か?」と聞かれた際に「韓国で活動するのは久しぶりです。日本のファンからは愛をたくさんいただいて…」などと言葉を濁したため、記者の質問をはぐらかしたとしてネットユーザーのみならず大手新聞やポータルサイトからも非難され、バッシングを受けた。安重根や尹奉吉など朝鮮の独立運動家に関するテレビ番組のクイズに誤答したアイドルたちは視聴者から非難され、公式な場で謝罪を余儀なくされている。旭日旗模様、またはそのように見えるデザインを使用した男性アイドルグループBIGBANGのリーダー・G-DRAGONとメンバーのT.O.P、少女時代のティファニー、音楽ユニットTrouble Makerのヒョンスン(元BEAST)とヒョナ(元4minute)、女性アイドルグループGirl's Dayのヘリなどが批判を受け、バッシングされたり謝罪に追い込まれたりしている。 2018年9月、日本の秋元康が作詞を手掛けたBTSの楽曲「Bird」が、「秋元康は右翼的だ」という韓国人ファンからの反発で別の曲に差し替えられた。 2018年11月、韓国では日本統治からの解放の象徴とされる原爆投下時のきのこ雲とそれを喜ぶ韓国人の写真がプリントされたTシャツを着たBTSの行動が日本で問題となり、同月9日放送のテレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』の出演が取りやめになった。さらに同月11日には、ユダヤ人の人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が、過去にBTSがナチスの軍服に似た衣装を着て、ハーケンクロイツに似たマークが入った旗を使ったことを指摘、日本とナチスの被害者への謝罪を要求した。 2019年7月、日本政府が打ち出した半導体などの材料3品目を対象とする輸出規制強化に反発する韓国のネットユーザーからTWICEやIZ*ONEなどのK-popグループの日本人メンバーに対して「日本に帰れ」という脱退要求があり、さらには「韓国人メンバーと同じ給料を受け取るな」などという非難も出た。2022年、BTSが米国バイデン大統領の招請を受け、ホワイトハウスで「アジア嫌悪犯罪」について議論した。 これはアジアのアーティストとして初めてのことだ。
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