放流施設改修・増強とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 放流施設改修・増強の意味・解説 

放流施設改修・増強

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 17:15 UTC 版)

ダム再開発事業」の記事における「放流施設改修・増強」の解説

洪水吐き改修、あるいはトンネル洪水吐き等の放流施設改修増強する再開発事業は、治水・利水機能強化目的とする。 治水目的再開発として最も行われているものは、洪水吐きゲート水門)を全て撤去しゲートレス化する手法である。従来ダムによる洪水調節ゲート操作極めて重要視されており、「ゲート操作規定」を各ダム設けて洪水に応じて細分化された取り決めが行われていた。これは河川法特定多目的ダム法水資源機構法によっても定められているダム管理における重要な項目である。だが、近年ではゲートなくした自然調節方式でも洪水調節が可能であるという見解がなされ、かつ建設費圧縮観点からも水門なくした方が経費節減に有効であるという風潮相俟って多目的ダム治水専用ダム始め目的ダム型式如何を問わずダム天端部にゲートのないダムの建設主流となっている。洪水場合許容される貯水量を超える自然に越流する方式のゲートレスダムを通称坊主ダム」とも呼ぶ。 一方ダム本体とは別にトンネル洪水吐き設け再開発もあるが、この場合治水・利水両方目的行われる治水目的では福井県にある笹生川ダム真名川)のトンネル洪水吐き著名である。1967年昭和42年9月福井県北部奥越豪雨という集中豪雨襲った。この豪雨は越美山系で3日間に1,044mmという総降水量記録する猛烈なもので、ダム洪水調節機能大幅に上回る洪水を受け機能喪失堤体全面から洪水越流ダム決壊危機陥ったこのため真名川ダム建設と共に笹生川ダム洪水調節機能強化図られダム直下流に洪水吐きトンネル新設奥越豪雨級の集中豪雨に対応出来様にした。このトンネル1977年昭和52年)に完成したが、完成後は洪水調節機能発揮し2004年7月平成16年7月福井豪雨でも、真名川ダムと共に真名川流域浸水被害をほぼ皆無抑えた利水目的では、隣接するダム湖貯水融通し合うことにより効率的な利用行い河川維持用水放流灌漑等に利用するダム連携事業」が鬼怒川等で行われている。この他京都府天ヶ瀬ダム淀川再開発事業において、上水道供給強化目的国内最大級のトンネル放水路建設される計画国土交通省近畿地方整備局によって進められていた。だが需要減少に伴い事業必要性疑問持たれ最終的に2005年平成17年)「淀川水系流域委員会」で建設中ダム事業と共に中止勧告出され事業事実上頓挫している。これ以外では、美和ダム三峰川)・小渋ダム小渋川)の排砂バイパストンネルがある。これは深刻なダム湖堆砂が続く両ダムにおいて、洪水時に上流から流れ来る砂をダム湖上流貯砂ダムからトンネル流下ダム湖迂回してダム下流流しダム堆砂防止海岸侵食防止充てようというものである2004年美和ダム排砂バイパストンネルは完成し小渋ダム完成予定である。こうしたバイパストンネルは全国幾つかのダム実用化若しくは計画されている。

※この「放流施設改修・増強」の解説は、「ダム再開発事業」の解説の一部です。
「放流施設改修・増強」を含む「ダム再開発事業」の記事については、「ダム再開発事業」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「放流施設改修・増強」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「放流施設改修・増強」の関連用語

放流施設改修・増強のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



放流施設改修・増強のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのダム再開発事業 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS