技のデパート・モンゴル支店
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 14:56 UTC 版)
「旭鷲山昇」の記事における「技のデパート・モンゴル支店」の解説
当初大島は「もう1人だけついでに」というつもりで旭鷲山を採用したに過ぎなかったが、その時の予想に反して1995年3月場所で新十両に昇進し、1996年9月場所で新入幕を果たした。幕内に上がると多彩な技で観客を沸かし、「技のデパート・モンゴル支店」(“本店”は舞の海)と評された。幕内2場所目、横綱貴乃花の休場により初日と2日目の割返しが行われた際に以前から対戦を望んでいた小錦との割が2日目に実現、これに勝利した。新入幕から所要3場所で小結に昇進したが、新三役となった1997年3月場所で4勝11敗と大きく負け越して以来一度も三役に復帰することは無く、引退場所となった2006年11月場所まで58場所連続平幕在位の史上1位の記録を持つ。1997年3月場所も2勝13敗だったが、初日に横綱曙から初金星を挙げている。 2001年1月場所、新決まり手である送り吊り落としで勝った第1号力士。2002年1月場所、新決まり手である送り引き落としで勝った第1号力士。その他、1997年3月場所は小股すくい・足取りと1場所で2回もあり、さらに1998年5月場所は珍しい決まり手で勝った星が、外無双・掛け投げ・渡し込みと3番もあった。2000年1月場所は外小股、2002年1月場所は内無双、2003年3月場所は波離間投げ、などで勝った取り組みもあった。 1999年3月場所、若乃花に勝ち2個目の金星。2001年5月場所、後輩の朝青龍に抜かれた事が刺激になり11勝。2002年1月場所、武蔵丸にひっかけで勝ち金星。2002年5月場所、初日から8連勝し10勝で技能賞、初日から8連勝した決まり手が全て違うのは北の富士以来32年ぶり。2003年5月場所、朝青龍に勝ち5個目の金星。2004年9月場所、2度目の初日から8連勝し11勝。2005年5月場所、中盤8連勝で12勝し初の敢闘賞。2005年7月場所、栃東に小股すくいで勝った。2006年3月場所、11勝し5回目の三賞、などなど活躍した。 新入幕から一度も十両に陥落せず地力があったことは間違いないが、歳を重ねるにつれ立合い諸手を突いての逃げ回るような攻めが目立つようになった。十両陥落が見える地位になると二桁の大勝ちを見せて一気に番付を上げ、上位で大負けした後は僅かな負け越しを続け少しずつ番付を下げていくパターンの繰り返しが多かった。技が連続しないことや寄り身を試しても力強さが無い事から三役定着には至らなかった。 長く幕内に留まっていられた理由として、立合いでは激しく当たらず、敢えて相手に踏み込ませそこから形を作っていく相撲を取ることにより、激しい衝撃を避けることで肉体の消耗を免れていると、相撲解説者である舞の海は指摘している。初土俵以来の決まり手数は45を数えるとされ、大相撲界にそれまで無かったモンゴル相撲を持ち込み、2000年に新たに15の決まり手が追加された一因となった。 なお「技のデパート・本店」である舞の海との取組も数度実現している。この中には1分を超える取組も見られ、「大相撲」と言われたこともある。
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